3月20日 旅立ちの日に 卒業おめでとう
- 公開日
- 2023/03/20
- 更新日
- 2023/03/20
校長室
青く空が澄み渡るよき日。第76回朝日西小学校卒業式を挙行いたしました。
ご来賓の方々、保護者の皆様、ご参列を賜り、誠にありがとうございました。
卒業生の式に臨む姿は、6か年の締めくくりにふさわしい大変立派なものでした。
在校生の代表として出席した5年生も、すばらしい態度で参列することができました。
【校長式辞より】
朝日西小学校を巣立っていく二十六名のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
みなさんが過ごした六年間は、今までの六年間とは違っていました。三年生の終わりから四年生の初めは、新型コロナウイルス感染症による三か月余りの休校期間がありました。休校期間が終わり、登校できるようになっても、さまざまな活動に制限があり、悔しい思いをしたことがあったと思います。私たち教師も、やってあげることのできない歯がゆさを抱えていましたが、みなさんの姿から希望と元気をもらったことがたくさんありました。
その中の一つが、野外教育活動でのみなさんの姿です。野外炊飯のカレー作りでは、感染拡大防止のため、野菜や肉を切ることができませんでした。そのため、ご飯だけを炊き、カレーはレトルトを使うことになりました。とても残念な気持ちがあったと思います。しかし、みなさんは、班で協力して、米を研いだり、火を起こしたりして、一生懸命に取り組んでいました。どの班もつやつやに上手に炊き上がり、レトルトカレーをかけて食べました。「おいしい。」と言って笑ったみなさんの笑顔が今も心に残っています。できないことだけに目を向けて嘆くのではなく、できることを全力でがんばり、できたことを喜ぶみなさんの姿は、希望と元気を与えてくれました。
このことは、自分自身にもあてはまると思います。自分ができないことだけを見て悲しみ、立ち止まるのではなく、自分ができることや自分のよいところをたくさん見つけて、前へ前へと進んでいってください。
朝日西小学校を巣立っていくみなさんに伝えたいメッセージがもう一つあります。
それは、「出会いを大切にしてほしい」ということです。
昨シーズン、プロ野球公式戦で、東京ヤクルトスワローズが二年連続のリーグ優勝を果たしました。四番バッターとして活躍し、チームを優勝に導いたのは、史上最年少で三冠王に輝いた、村上宗隆選手でした。入団して一年目に、今の村上選手を築き上げるきっかけとなった大きな出会いがありました。それは、歴代二位のホームラン記録をもつ野球界のレジェンド野村克也監督との出会いでした。野村監督は村上選手に「足を正しく動かせば上は自然とついてくる」とアドバイスを送りました。そして、二年目以降、村上選手は下半身の強化に力を入れていきました。村上選手が野村監督と出会い、野村監督の言葉から学んだからこそ、あらゆる球種に対応できる下半身主導のバッティングを身につけることができたのだと思います。
「人と出会ったおかげで、自分とも出会えた」
詩人谷川俊太郎の言葉です。みなさんは、小学校で出会った様々な人から、多くのことを学びました。さらに、人との出会いは、新しい自分を見つけるきっかけにもなります。村上選手が、野村監督と出会い、活躍の原動力となるバッティングを見つけたように、みなさんも人との出会いを大切にして、どんどん成長していってほしいと願っています。
また、みなさんがこれから生きていく上で、思うようにいかず、悩むこともあると思います。そのような時も、一人で抱え込まず、みなさんが出会った人や周りにいる人と一緒に乗り越えてほしいと願っています。
卒業生のみなさん、「思い出を胸に強く抱いて 勇気を翼にこめて 未来を信じて飛び立て!!」 輝く未来が待っています。ずっと、ずっと見守っています。
令和五年三月二十日
一宮市立朝日西小学校長 井上 綾見