学校日記

3月19日 卒業式 式辞より

公開日
2021/03/19
更新日
2021/03/19

校長室

 本日、第74回卒業式を行いました。式辞の中で、子どもたちに次のような話をしました。

 6年生は学校のリーダーとして、行事を重ねるごとに成長し、活躍してきた。しかし、今年度は新型感染症の危機に直面し、思い通りには進まなかった。日本中がこの危機に立ち向かい、新たな時代を切り拓こうとしている。
 10年前にも日本は東日本大震災という危機に見舞われた。東北ではこの10年、復興に向けて取り組んできた。人間だけではなく、東北の地の生物も生き残りをかけて戦った。岩手県にイトヨという魚が生息している。あの津波が生息地を襲い、震災直後は絶滅したと思われていたが、湧き水などでできた新しい池に入りこみ生きていた。そして、えさの種類の異なる池の環境に合わせて、鰓の一部を変化させて生き延びていた。この新しい池のイトヨは、もともとのイトヨとは違った新しいタイプに進化し、絶滅の危機を乗り越えた。「最も強いものが生き残るのではない。最も賢いものが生き残るのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できるものである」と生物学者のチャールズ・ダーウィンは言っている。
 4月からの中学校生活では、自分が望むようには進まず、悩むことがある。そんな時、「相手のせいだ」「周りが悪い」と考えがちだが、本当は自分自身の心の問題であることが多い。自分以外のものに原因を求めるのではなく、自分自身の考え方や行いを見直すことで、前向きな気持ちが生まれ、悩みや不満を乗り越え、一つ成長した自分に進化することができるのだと思う。悩みや不満を乗り越える経験を重ねることでさらに進化し、これからやってくる新しい時代のうねりや変化に適応し、力強く生きてほしい。

 卒業生のみなさんが、今後さらに、「心豊かに、たくましく」成長することを願っています。卒業おめでとう。