学校日記

11月9日 ものを大切にする(放送朝礼より)

公開日
2020/11/09
更新日
2020/11/09

校長室

 今日の朝礼では、「ものを大切にする」ということについて話をしました。

「ものを大切に使いなさい」とお家の人や先生に言われたことがあると思う。鉛筆や消しゴム、定規や筆箱、傘や靴などをどのように使っているだろうか。普段使う道具だから、いずれは使えなくなりその役目を終える時が来る。「小さくなったから捨てる」「壊れたから捨てる」「もっといいものが欲しくなったから捨てる」と思ってはいないだろうか。
その時に「少し壊れているけど、もう少しだけ使い続けられないだろうか」と工夫して使ったり、直して使ったりする人はいるだろうか。
 今は「使い捨ての時代」と言われているが、私が育った頃は、ものが安く手に入る時代ではなかった。鉛筆も最後まで使い切るために、小さくなった鉛筆にキャップをかぶせて持ちやすくしてぎりぎりまで使ったり、新しい鉛筆の後ろに小さくなった鉛筆を付けて最後まで使い切ったりした。
 その習慣が抜けず、不足や破損が生じた時でも、工夫したり、修理したりして使おうと考える。色鉛筆は小学校に入学する時に買ってもらったものに、足りない色の鉛筆を買い足して使用している。はさみは、新任教師時代に購入したもので、持ち手などを何度も修理して30年以上使い続けている。
 私は「ものに魂が宿る」という言葉を信じている。「普段使う日用品などの道具にも心がある」という、日本人が昔から持っていた考え方である。これは、自然の恵みや大切な道具を無駄にしないようにするための、日本人の知恵だったのではないかと思う。人と同じように心があると思ってものに接することで、手入れをしたり、丁寧に扱ったりするようになる。そして、ものがその役目を終えた時には「今まで、働いてくれて、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるのだ。
 自分の使っているものを、もう一度見てほしい。乱暴に扱って傘の骨が折れてはいないだろうか。靴のかかとが踏まれて折れ曲がっていないだろうか。鉛筆や消しゴム、定規などが片付けられずに放置されていないだろうか。それぞれに心があると思うと、粗略には扱えないと思う。自分の生活を助けてくれる一つ一つのものや道具に対して、感謝の気持ちを忘れず、大切にできる人になってほしい。