8月21日 防災について考える(「校長室」より)
- 公開日
- 2018/08/21
- 更新日
- 2018/11/08
校長室
本年度10月28日(日)に、「朝日連区防災訓練」が、本校グランド及び体育館で開催されます。昨年度、朝日東小学校で開催され、朝日連区では2回目の開催となります。これを機に、改めて本校の防災教育について振り返り、今後の防災教育の在り方を見直すきっかけとしたいと思い、◇主催:国土交通省中部地方整備局 ◇共催:愛知県教育委員会 ◇後援:名古屋市教育委員会 によるシンポジウム、「防災教育シンポジウム —地域と学校が協力して進める「防災教育」を考える—」に参加しました。
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本校では、平成29年1月に発行された愛知県教育委員会保健体育スポーツ課健康学習室発行の「あいちの防災教育マニュアル」を元に、平成30年度朝日西小学校学校経営案の中にある「学校安全計画」に基づき、「児童の安全を期し、施設・設備等の安全性を高める」を本校の安全目標とし、全職員で児童への安全指導を推進しています。
本校では、毎月一回、地震、火災等を想定した避難訓練を行っています。それに伴い、学級活動では、「火災発生時の対応」「地震発生時の対応」「避難経路の確認」「救助袋の使い方」「消火器の使い方」等を、各学年の発達段階に合わせて指導しています。しかし、こうした防災教育は、何も学級活動の時間に限ったことではありません。防災教育を、多岐にわたって教育活動の中に位置づけ、避難訓練及び学級活動以外にも、各教科領域別に防災教育を行っています。そのごく一部を下記に示します。
◇道徳:5年生2学期「命を守る防災訓練」(内容項目:節度、節制)
・自分の身を自分で守るとはどういうことか考えます。
◇理科:5年生1学期「天気と情報(1)天気の変化」
・気象情報をもとに,天気の変化を調べ、予想する学習を行います。
◇理科:5年生2学期「天気と情報(2)台風と天気の変化」
・台風はどのように動くか?また,台風の動きによって,天気はどのように変わるかを予測し、台風が近づいたときの天気の変わり方を調べる学習を行います。
◇理科:5年生2学期「流れる水のはたらき」
・川の水の量が増えるときはどのようなときか。また,川の水の量が増えると,流れる水のはたらきで土地のようすはどうなるかを考察し、洪水のときのようすや洪水に備える工夫などを調べる学習を行います。
◇理科:6年2学期「土地のつくりと変化」
・火山活動や地震による土地の変化について学び、いかに災害から身を守るかを、「災害予知と防災情報」「過去の災害から学ぶ」「防災対策」の3つの観点から学習します。
◇社会:4年2学期「きょう土のはってんにつくす」
・文化の伝承,郷土の発展に関わる先人の足跡を見学や調査などで調べ,その努力と工夫,苦労について理解することを学習の目的に、「宝暦治水工事」「ヨハネス・デ・レーケによる明治の分流工事」を学びます。
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昨日のシンポジウムでは、事例発表がありました。中でも、大きな学びとなったことが二つありました。
大きな学びの一つ目は、より具体的に災害を想定した防災教育の推進です。
事例発表の一つ、豊田市立元城小学校は、隣接する一級河川の矢作川に隣接する学校です。ここは、開校した年の昭和47年、7月13日に矢作川が氾濫し、校地が水浸しになり大きな被害を受けたそうです。この時の教訓を生かし、市の洪水フローチャートを元に、学校独自の「洪水フローチャート」を作成しています。また、自校内での避難訓練に加え、避難領域を広げ、近隣のショッピングセンターへの避難訓練も行っています。また、従来から行っている自校内での避難訓練も、運動場へのいわゆる「水平避難」に加えて、校舎3階への「垂直避難」も実施しています。
本校は、一宮市の最西南端に位置し、本校の西側には、木曽川本流がほどなく流れています。改めて、より具体的に災害を想定した実践的な避難訓練の実施について考えさせられました。
大きな学びの二つ目は、次期学習指導要領における、安全教育で育てたい資質や能力を十分に踏まえた上での、安全教育計画の実施です。
今までの防災教育を振り返ると、いわゆる「過去の被害から学ぶ」といった、いわゆる受け身的な教育が展開されていました。ところが、次期学習指導要領では、「主体的に判断できる力」「多様な人々と協働する力」「新たな問題の発見・解決につなげる力」が最重要課題として謳われています。そこで、従来の安全教育計画を改めて見直し、防災教育と教科領域等のより有機的な関連を図り、特に、「主体的に判断できる力」を育成できるよう見直していきたいと思います。
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シンポジウムの中で愛知教育大学の教授がおっしゃっていた言葉が印象に残っています。それは「教員が『地理的想像力』を生かして、地域でなにが起こるのかを読み取り、授業実践できるよう、『地域を見る目』と『地域で考える力』をもつことが肝要。」という言葉です。職員へも十分意識付けを行った上で、2学期以降のより有効で意義深い防災教育となるようにしていきたいと思いますし、10月に本校で開催される「朝日連区防災訓練」においても、地域と学校の、よきつなぎとなるような心構えで参加したいと思います。