7月11日 「うわぁ、こんなに軽いんだぁ!」(校長室より)
- 公開日
- 2018/07/11
- 更新日
- 2018/07/11
校長室
「これなぁに?」と児童昇降口廊下に子どもたちが集まってきました。低学園の子が「これなぁに?」と言うのを聞いて、「これって、瓢箪(ひょうたん)でしょ!」さすが、4年生。「持ってもいいよ。触ってごらん。」と言うと、早速ひょうたんを持ち、「うわぁ、軽い!」「うわぁ、こんなに軽いんだ!」「白くてきれいだね!」「校長先生、これどうしたの?」と聞くので、「地域の方からいただいたんだよ。」と答えました。
昨日は、3年生が社会科の学習の一環として、地域の「ドンカチ太鼓」を学びに本郷公民館まで出かけました。学習の様子を見に自転車で出かけ、その帰り道、道すがらネットのハウスの中にある巨大な作物に目が留まりました。一かかえ、二かかえほどある、あれだけ大きな作物は一体なんだろう?とうがんかしら?へちまかしら?瓢箪かしら?と自転車を降り、ハウスで作業をしてみえた方に声をかけました。
ハウスから出てみえた方は、本校に在籍している児童のおじいさんでした。「あまりに立派な作物なので足が止まってしまいました。ちょっとだけ拝見してよろしいですか?」と声をかけると、おじいさんは「どうぞ。これは瓢箪(ひょうたん)ですよ。大ひょうたん、ミニひょうたん、千成ひょうたんなど、種類はいくつもあります。」と。続けて、瓢箪をここまで育てるまでの手間を教えてくださいました。そして、帰り際、「学校へどうぞ。」と、たくさんのひょうたんをいただいたので、早速児童昇降口に置いて、子どもたちに紹介したのです。
児童昇降口に展示したような、容器になるようなものをつくるには、完熟果を収穫し、口の部分に小さい穴をあけて水に浸(つ)けて、中の果肉を腐らせ、水に溶け出させて除いたのち、十分に洗って長い期間、天日干しで乾燥させるそうです。実に長い期間、実に多くの手間ひまかけて丹精に丹精込められて作られたひょうたんなのです。
「ずいぶんお手間がかかりますね。大変ですね。」と聞くと、おじいさんはこうおっしゃいました。「おんなじように種まいても一つ一つ育ち方が違う。まあ手間ひまはかかるけれど、ひょうたんが大好きで、育てるのが楽しいですから苦にはなりませんよ。」と。
お話をお聞きしながら、子どもとひょうたんでは、例えが不適切かもしれませんが、私たちの学校現場を思い浮かべていました。
朝日西小学校も、176名の子どもたちをお預かりしています。金子みすゞさんの詩「私と小鳥と鈴と」の中に「みんなちがってみんないい」という一節があります。本校も、この詩でうたわれているように、一人一人の良さを認め伸ばし一人一人の成長を支え導くことにより、「命を大切に 命を輝かせて生きる」子の育成に心を砕いています。おじいさんが話してくださった「ひょうたんが大好きで育てるのが楽しい」という気持ちは、立場は違えども、私たち朝日西小の職員も同じように持ち合わせています。では一体、私たちの喜びとはどんなことなのでしょうか?それは、子どもの笑顔、子どもの成長の軌跡に立ち会える喜びに他なりません。
最後になりましたが、朝西っ子のために、丹精込めて作られたたくさんのひょうたんをくださった地域のおじいさま、本当にありがとうございました。何かよい教育効果が得られるよう、活用させていただきたいと思います。この場をお借りしてお礼申し上げます。