3月6日(水) 卒業式 式辞より
- 公開日
- 2024/03/06
- 更新日
- 2024/03/06
校長室より
本日、第77回卒業式を行いました。式辞の中で、生徒に次のような話をしました。
今年度の夏の甲子園で慶應義塾高校が優勝し、選手たちが長髪だったことで話題になった。しかし本質は髪型ではなく、慶應義塾高校が掲げてきた「エンジョイベースボール」を実践したことである。エンジョイと言っても単純な楽しさではなく、レベルの高い野球をする楽しさである。そのために選手一人一人の力と、チームとしての組織力を高めた。
「エンジョイベースボール」とは、1 各人がベストを尽くす、2 チームメイトへの気配り、3 独創の楽しみと常識に対する反骨精神、4 明るく堂々と勝つを実践することだそうだ。
皆が常識と思って受け入れていることを当たり前とせず、本当にそうだろうかと疑って考える力を大切にした。そして、これまで高校野球では当たり前だった厳しい規則や上下関係、指示に忠実に従う受け身の姿勢を否定し、それらに頼らない方法を自分たちで考えて実行することが「エンジョイベースボール」の真髄なのである。
これからの時代は「一律」や「強制」が否定され、個人の意思が尊重される世の中になる。望まないことは無理してやらなくてもよくなり、快適で過ごしやすくなるかもしれない。しかし同時に、これまでのように、本人が望む・望まないにかかわらず課題が課され、全員がある程度のレベルまで引き上げてもらえる機会が確実に少なくなるのある。つまり、自分で自分に厳しくし、自ら望み求めなければ、いろいろなものを身につけることはできないのである。
そんな時代を生き抜くためにも、中学校で学んだことを土台として、常識にとらわれずに自分で考え、自らを律して行動し、道を切り拓いていける人になってほしい。