11月21日(月) 未来を生きるみなさんへ(学校集会より)
- 公開日
- 2022/11/21
- 更新日
- 2022/11/21
校長室より
先日参加をした一宮興道高等学校創立40周年記念式典の池上彰さんの講演会の内容について、学校集会で紹介しながら、次のように生徒に話しました。
講演会後にある高校生が「相手に分かりやすく伝えるには、どんなことに気を付けたらよいか」という質問をした。池上さんは「数学の『因数分解』が役立っている」と答えた。因数分解の考え方を用いると、世界中で大量に流されるニュースを整理し、共通点を見つけ出してひとくくりにまとめ、分かりやすく説明することができるそうだ。ニュース解説と因数分解は、何の関係もないように思えるが、中学や高校で学んだ数学が生かされているのだ。
また、池上さんは、「情報が大量にあふれてデマが拡散する現代社会で、正しいことを見極めていくには教養が必要。教養とは、知識と知識をつなぎ合わせて使うことである。その知識の土台になるのは、小学校や中学校、高校で学び身に付けたことであり、本をたくさん読む経験が教養の基盤になる」と伝えていた。
それに対して「どのようにしたら、知識や教養を身に付けられるか」という高校生の質問には、「誰かに言われたことだけをしているのではなく、自分の頭で考えること。普段の学習でも、分からないところを自分で質問をすること。新聞やテレビなどを見ていて「どういうこと?」と、疑問に思ったら、まず自分で調べてみること」とアドバイスをしていた。
そして、次のように高校生にメッセージを送っていた。
「今は、新型コロナウイルスによって、世界が大きく変化している時代である。未来から今を振り返ると、時代の大きな転換点になっているかもしれない。そんな時代を生きている生徒のみなさんには、自分たちが歴史をつくっていくのだという自覚をもってほしい」
高校生ばかりではなく西成中のみなさんも、同じ時代を生きる人たちである。新型コロナウイルスによって制限を受けた学校生活を送っているが、その中で経験し、学んだことを生かして、自分で考え、判断しながら、未来をたくましく生きてほしいと思う。