4月5日(金) 新入生へのメッセージ
- 公開日
- 2024/04/05
- 更新日
- 2024/04/06
校長室より
桜の開花宣言が出されて7日あまり、今日のよき日に合わせたように咲き誇る桜に迎えられ、本日入学される151名の皆さん、そして、保護者の皆様にお祝いを申し上げます。「誠におめでとうございます。」
さて、皆さんは今日、中学校に入学しましたが、私が見つめているのは3年後に皆さんの卒業する姿です。皆さんの入学に際し、3年後にも必ず口にする言葉を贈ります。それは「自分探しの旅」という言葉です。
「自分とは何だろう」「自分は何のために生まれてきたのだろう」「自分はどのように生きていけばよいのだろう」というように、自分の存在意義を見つめる旅、私はそれを「自分探しの旅」と言い、先輩である2,3年生にもその言葉を伝えていこうと思います。
子どもから大人に踏み出すとき、人はその旅に出ます。皆さんはすでに出発しているはずです。その旅は常に自分の在り方を問い続ける旅です。だから、あなたの代わりは誰もいません。
今までの皆さんの歩みには、保護者の方という大きな存在がありました。いわば車のナビゲーションです。皆さんが進むべき目的地をあらかじめセットし、進んでほしい道を間違えないように、渋滞に巻き込まれないように、高速道路を利用してできるだけ快適に進めるように、いろいろ案内をしてくれました。もちろん、これからも保護者の方の導きは必要ですが、皆さんに求められるものが変わってきます。それは自分の足でしっかり立つという「自立」と、自分のことを律する「自律」です。
これらの「自立・自律」に向かう時、便利なナビは機能しません。自分で当面の目的地を定め、そこまでの道を決め、自分の足で歩むのです。当然、迷うことも、間違えることもあります。ときには引き返す勇気が求められることもあります。渋滞の列に立ち止まることもあります。そんなときはじっと我慢する心も求められます。自分が選ばなかった道を快適に進む人の姿を見ることもあります。そのようなときは冷静さを失わない強い心が求められます。自分の長所、自分の特性を見つけながら、当面の目的地を目指すのです。
そして、そこに到着したら、次の目的地を定め再び歩むのです。それが「自分探しの旅」であり、旅する中で「自分って素敵だな」、「自分もだれかの役に立っている」と感じられることでしょう。
校長である私自身も、そばにいる先生方も、いまだ旅の途中です。その途中で、今日こうして皆さんとも出会うことができました。しばらく皆さんといっしょに歩くことができ、うれしく思っています。
けっしてあわてず、けっしてあきらめず。人と比べず、あなたのペースでよいので、一歩ずつ歩みを進めていきましょう。
葉栗中学校の先生方全員で応援をしています。
保護者の皆様、本日はおめでとうございます。お子さんの「自立・自律」のため、ときには見守り、ときにはお力をお貸しください。ご協力よろしくお願いします。
それでは、共によい旅になることを祈念し式辞とします。
令和6年4月5日 一宮市立葉栗中学校長