3.20 卒業式 励ましの言葉
- 公開日
- 2019/03/20
- 更新日
- 2019/03/20
校長室
第72回卒業式が行われました。卒業生への励ましのことばを紹介します。
本日、巣立ちの日を迎えました62名の卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。6年前、夢と希望を胸に、この丹陽小学校に入学しました。特に最後の一年は、学校の中心となってがんばりました。運動会では、力一杯表現した組立体操や元気ある応援など多くの場面での活躍に、たくましさを感じました。修学旅行では、京都・奈良の歴史や文化に触れ、友達と楽しいひと時を過ごすことができました。学習発表会「丹小わくわくフェスタ」では、「あほろくの川だいこ」を熱演し、人の愚かさや未熟さ、そして優しさや力強さを学年全員で心をこめて伝えてくれました。さらに、各部活動の大会では、仲間を信じ、最後まで粘り強くがんばりました。本当に、心身ともにたくましく成長しました。これからも周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、温かい人間関係を築いてほしいと思います。
平成という時代が終わりを告げ、時は、まさに新しい時代に入ります。その新しい未来に羽ばたくみなさんに「夢と希望をもつこと」そして「前向きにがんばること」の大切さについて話をしたいと思います。みなさんは、「孫正義」という人を知っているでしょうか。ソフトバンクグループの創業者で会長兼社長と言えば思い起こせる人も多いと思います。携帯電話会社やヤフーというインターネットの会社、プロ野球チームなどを持っている人です。今でこそ日本の大実業家ですが、もともと裕福だったわけではありません。在日韓国人の両親のもと、佐賀県で生まれました。家畜と生活を共にするような不衛生で貧しい幼少時代を過ごします。その暮らしや国籍から差別も受けながら小さいころを過ごしたようです。父親の事業の成功で一時は豊かな時もあったようですが、そんな父が病に倒れます。兄は高校を辞めて家計を支えます。家族の危機、中学生の彼はこの時、「家族を幸せにする。こんな生活を終わらせる」と決意し、何としてでも這い上がって実業家になろうと腹をくくったそうです。その後、せっかく優秀な成績で入学した福岡の高校を中退して、アメリカに渡ります。留学前、周囲からは「家がこんな状態の時に家族を捨ててアメリカに行くのか、自分勝手だ」と非難されます。しかし彼は、「今、家族を支えることより、将来人生をかけて家族を支えるために海外に行くのだ」と反対を押し切ったのだそうです。家族に寄り添えないつらさを感じない人なんていないはずです。それでも自分の大きな夢と家族を助けるため日本を離れることにしたのです。すごい決断です。渡米した彼は、現地の高校に編入し猛勉強の末、飛び級で卒業検定に合格し、わずか1年後には、大学に入学します。大学で経済を学ぶかたわら、在学中に会社を立ち上げ日本と取り引きを始めます。大学卒業後は、日本に帰国し、福岡でコンピューターの卸売事業を始めます。これがのちの「ソフトバンク」です。この時23歳。その後の会社の発展や拡充は、言うまでもありません。
孫正義さんの名言があります。孫さんの頭はやや薄毛なのですが、それを言われた彼はこう切り返します。「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのだ」と。ともすれば、落ち込んだり怒ったりしてしまいそうなことでも発想を変え、ユーモアを交えて前向きな自分の信念に変えてしまうあたりは、流石だし懐の深さを感じさせます。情報化社会、ITそしてAI、自動運転など、まさに科学技術は日進月歩です。時代が変わるこの時に、10年後いや20年後の、時代を変える君たちに大いに期待をします。夢と希望、前向きな志を持ってがんばってほしいと思います。皆さんの輝ける未来に、幸多かれとお祈りしています。
卒業式には、多くの保護者やご来賓の方々にお越しいただきました。皆様のお陰をもちまして、卒業式を無事に行うことができました。職員一同、感謝申し上げます。ありがとうございました。