学校日記

5月16日(月) 脳のはたらきと学習効果(学校集会より)

公開日
2022/05/16
更新日
2022/05/17

校長室より

 今日からテスト週間が始まりました。学校集会で、生徒に次のように話しました。

 誰もが、間違えたり失敗したりせずに、できるようになりたいと考えるが、できるようになるには間違えることが大切である。ある脳科学者が行ったネズミを用いた研究から、次のようなことが分かったそうである。
・最初にたくさん間違えたネズミほど、最終的に速く学習を達成した。
・同じ間違いでも、すぐに選んで間違えるネズミより、選択するまでに時間がかかったネズミのほうが学習成績がよかった。
・間違えた回数が同じネズミ同士を比べると、同じ間違いを繰り返すのではなく、様々な間違いを繰り返したネズミのほうが学習成績がよかった。
 次に、別の実験から「じっくり考えて正解したネズミより、間違えたネズミのほうが、学習成績がよくなった」ということが分かった。これは、脳が「分かった」と判断したことは記憶しなくなるからだそうだ。
 この研究から、次のようなことが言える。
(1)「間違えた時こそ、できるようになるチャンス」
(2)「分からない問題も、まずは自分でじっくり考える」
(3)「いろいろな方法で試して間違えるほど伸びる」
(4)「じっくり考えて間違えた時が一番、学習成績が伸びる」

 また、脳は情報を入力することと、それを定着させることを同時にできないので、入力した情報を整理整頓して定着させるためには、何もせずボーッとすることや睡眠がよいそうである。そして、最大の定着方法は、脳に入れた情報を思い出すことだそうだ。勉強したことを他の人に説明してみると、思い出せない部分があるので、そこをもう一度勉強しなおすとよい。
 以上のことから、次のことが分かる。
(5)「睡眠をしっかりとることが学習効果を上げる」
(6)「脳への情報の入力→定着→出力の繰り返しが学習効果を上げる」

 脳科学の観点から、自分の勉強方法を見直したり、学習計画を立てたりすると、今まで以上の成果が得られるかもしれない。今年度最初の定期テストに向けて、全力で取り組んでほしい。