6月22日(月)お互いを勝利へ導く八咫烏となれ【校長講話】
- 公開日
- 2026/06/22
- 更新日
- 2026/06/22
校長室より
皆さん、おはようございます。 サッカーワールドカップが開幕しました。世界中、そして日本中が熱狂に包まれる一か月が始まりましたが、私は今、日本代表のあるニュースに非常に胸を熱くしています。
皆さんは、南野拓実選手を知っているでしょうか。 長年、日本代表の「背番号10番」を背負い、エースとしてチームを引っ張ってきた素晴らしい選手です。
しかし、実は彼は、今回のワールドカップの選手登録メンバーには入っていません。昨年末に左ひざの大怪我を負ってしまい、選手としての出場が叶わなかったからです。
4年に一度の大舞台を前に、選手としてピッチに立てない。その悔しさは、私たちの想像を絶するものだったはずです。
しかし、南野選手は今、日本代表チームとともに開催地に滞在しています。 なぜでしょうか。
彼は森保監督から、チームを精神的に支える「メンター(助言者・精神的支柱)」としての役割を託され、それを快諾してチームに帯同しているのです。
WBC(ワールド ベースボール クラシック)では、ダルビッシュ有選手が日本チームに入り、メンターの役割を担ったことを思い出した人がいるかもしれません。
南野選手がチームに合流した際、ピッチで戦う仲間たちは「拓実くんがいるだけでチームの雰囲気が明るくなる」「本当に頼れる兄貴分だ」と、大歓迎したそうです。
試合に出てゴールを決めることだけが貢献ではない。自分がどんな状況に置かれていても、「チームの勝利のために、今の自分にできる最高の役割を全うする」。南野選手のこの姿勢は、本当に美しく、強いものだと思いませんか。
彼らが胸につけている日本代表のユニフォームには、一つのシンボルが輝いています。
3本の足を持つ伝説の鳥、「八咫烏(ヤタガラス)」です。
日本の神話において、八咫烏は「暗闇の中で道に迷う人々を、目的地へと正しく導いた神の使い」とされています。つまり、「勝利への導き手」という意味が込められているのです。
また、あの3本の足は、それぞれ「天・地・人」を表しているとも言われます。運を味方につける「天」、確かな実力を蓄える「地」、そして何よりも大切な、「人と人との強い結びつき、団結力」です。
目的地を見失わず、仲間を信じて、お互いを勝利へと導き合う。まさに、現在の南野選手が果たしている役割であり、日本代表が一つになって戦うための誇りなのです。
さあ、今度は皆さんのことです。 3年生の皆さんにとっては、いよいよ泣いても笑っても、これが「学校部活動の最後の大会」となります。
これまでの部活動の中で、レギュラーとしてピッチやコート、舞台に立つ人もいれば、怪我に苦しんだ人、ベンチから声を張り上げる人、後輩を必死にサポートしてきた人もいるでしょう。思うようにいかず、暗闇の中でもがくような悔しい時期もあったはずです。
しかし、南野選手の姿が教えてくれるように、試合に出る人だけが主役ではありません。
声を出し、仲間を励まし、自分の役割を全うするすべての人が、チームを勝利へ、そして感動へと導く「八咫烏」なのです。1人の天才がチームを勝たせるのではありません。皆さんの「天・地・人」、つまりこれまでの努力と、お互いを思いやる団結力こそが、勝利の道を照らし出します。
最後の大会、上手くいくことばかりではないかもしれません。苦しい時間帯もあるでしょう。そんな時こそ、隣の仲間を見てください。そして、お互いを鼓舞し合う「八咫烏」になってください。
皆さんが、これまでのすべてをぶつけ、最高の笑顔で大会を終えられるよう、先生たち、そして学校全員で心から応援しています。
一瞬一瞬を大切に、全力で戦ってきてください。