3.19 卒業式式辞(校長)
- 公開日
- 2020/03/19
- 更新日
- 2020/03/19
人権教育・いじめ対策
<写真:巣立ちの言葉・卒業式の歌>
『希望に胸が膨らむ 素敵な春。ここ一宮市立葉栗小学校を巣立ちゆく、開校109年目、第73回卒業生81名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。全員出席での卒業式、とても立派です。
また、お子様のすこやかな成長を願い、温かくはぐくまれました保護者の皆様方におかれましては、お慶びもひとしおのことと存じ上げます。お子様のご卒業を心からお祝い申し上げます。
本年度は、新型コロナウィルスの関係で、在校生も来賓もいない卒業式となりました。そのため、「教育委員会告示」や「市長祝辞」は、文書にしてお渡しいたしました。これは過去にはないことで、ある意味で記念に残るものだと思います。
さて、卒業生の皆さん。あなたたちの命は、13年前に芽生えました。そのかけがえのない命を、ご家族は全員で愛し、慈しみ、時には悩みながらもしっかり守り、一生懸命に育てていただきました。そのおかげで、あなたたちの人生は12年を積み重ね、小学校卒業まで無事にこぎつけることができたのです。
「生んでくれて、ありがとうございます」「育ててくれて、ありがとうございます」と、感謝することがとても大切です。
同様に、忘れて欲しくない人として、お世話になった先生方や友達、見守っていただいた地域の方々がみえます。「教えてくれて…仲よくしてくれて…見守ってくれて…ありがとうございます」と感謝する心を、いつまでも大切にしてください。
中学校では、先生や先輩・同級生など、新しい仲間の輪が大きく広がります。でも、感謝する気持ちを常に大切にできれば大丈夫、心配はありません。新たな出会いが、人生の喜びとなってあなたたちを支えてくれるはずです。
もう一つ、お話をします。
「卒業式に向けて頑張ろう」と思った矢先、新型ウィルス感染防止のために、日本全国で3月が臨時休校となりました。先生たちは皆、あなたたちと楽しくふれあいながら、栄えあるあなたたちの卒業式を立派に創り上げていこうと思っていただけに、とても残念でした。
逆に、「当たり前にあることが、突然当たり前ではなくなる」ことの大変さ、それでもその対応には、真剣に取り組むことの大切さ、などを学ぶことができました。
世の中では、次々に当たり前ではないことが起こっています。
★マスクの買い占めやインターネットでの高額販売、ネット販売禁止の法律制定
★SNSによる、デマの拡散
★全世界のディズニーリゾートの休園
★今日から開催予定だった選抜高校野球大会の史上初の中止
★コロナ感染拡大は、パンデミック(世界的大流行)とのWHO(世界保健機関)の宣言
★NBA(アメリカのプロバスケットボールリーグ)では、今シーズンの試合を全てキャンセル
などなど、この後も、予測が不能で、油断できない状況が続きます。
でも、このような状況だからこそ、人間としての、また日本人としての「誇り」をしっかり持ち続けなければならない、と感じています。
小さなころ、だれもが口ずさんだ童謡『ぞうさん』では、鼻が長いとからかわれた象の子が、「大好きな母さんも長いのよ」と誇りをもって答えた様が詠まれています。
あなたたちが立派な大人となって活躍する時代は、今よりも、もっともっと発展した社会となることでしょう。それでも、人間は、肌や瞳の色が違うから、また言葉も違うからこそ、どんな時代になっても、素敵で素晴らしいのです。
『ぞうさん』のように、自分に誇りを持ってください。そして、日本人として、世界中の人々とともに、「違うからこそ、仲良くしよう」という心を大切にしてたくましく生きていってください。
みなさんへの最後のお話は、「いのち・ちしき・きれい」に関係して、「感謝すること」と「誇りをもつこと」でした。
さあ、旅立ちです。自分自身の翼で、高く 強く 大きく 羽ばたいていってください。
令和2年3月19日 一宮市立葉栗小学校長 横山 徹』