3月7日(火) 卒業式 式辞より
- 公開日
- 2023/03/07
- 更新日
- 2023/03/07
校長室より
本日、第76回卒業式を行いました。式辞の中で、生徒に次のような話をしました。
これまでは、生物は生存競争でより有利なものが生き残ると考えられてきた。しかし、競争だけで生き残っているわけではないことが、最近の研究で分かってきた。
地球の陸地を覆う植物たち。森林の巨木の陰の小さな幼木が枯れずに生長できるのは、巨木が光合成で作った養分を、根から幼木に与えているからだそうだ。また、落葉樹と常緑樹という異なる植物の間でも助け合っている。夏は盛んに光合成をする落葉樹から、冬場には常緑樹から、根と根のネットワークを通じて養分を分け与えているのだ。自分だけが勝ち残るのではなく、仲間とつながり分かち合うことで、植物は互いに生きる道を切り拓いてきた。これこそが、陸の覇者となった植物たちが大切に守り抜いてきた生き方である。
今、中学校生活を振り返ると、自分の横には必ず大切な仲間の存在があったのではないだろうか。行事では意見を出し合い、時にはぶつかりながら、一つのものを創り上げてきた仲間。部活動では互いに競い、励まし、うれしい時も悔しい時も一緒に涙を流した仲間。どんな時もつながり、共に支え合ってきた仲間。
しかし、この3年間は黙食やグループ学習の中止など、会話や接触を極力避けるようにしなければならない毎日…。そんなもどかしい日々を過ごしたからこそ、仲間とのつながりや支え合うことの大切さを実感したのではないだろうか。
これからの人生でも、出会う人とのつながりをしっかりと築いてほしい。そして、その仲間を大切に思う心が、互いに支え合う関係をより豊かにし、輝かしい未来への道を拓いてくれるのだと思う。