6月20日(月) たのしめる人が最強(学校集会より)
- 公開日
- 2022/06/20
- 更新日
- 2022/06/20
校長室より
学校集会で、次のように生徒に話をしました。
誰しも、部活動や学習面で、よい結果を残したいと思い努力をするはずだが、思うような結果が出せないことがある。どのようにしたらよいのだろうか。
ある学校のテニス部に入部してきたのは、あまり運動が得意ではない6名の1年生だった。最初の基本練習も満足にできず、一つのことを身につけるのに膨大な時間を費やした。何とか球を拾って繋ぐことはできるが、とても相手コートへ打ち込むことはできない。それならば、ミスをせず、ひたすら繋ぐチームにしようと考えた。速い打球は打たず、サーブもゆっくり入れるだけ。その代わり、どんなボールも追いかけてラケットに当てる練習をした。
すると、練習試合で時々勝てるようになった。テニスでは、攻めなくても自分たちより相手のミスが多ければ勝てる。6名の部員もだんだんテニスを好きになってきた。ただの練習試合でも「勝つ」という体験を通して「好き」が生まれたのだ。
そうなると、上達のスピードが格段に上がる。これまで「辛い」「苦しい」と思っていた練習も勝ちにつながると思えて、自分から進んでやりだした。次はもっと遠い球も拾い、自分の狙う場所へ落とすように練習した。部員たちはより「苦しい」練習を求めるようになった。「苦しさ」の中に「たのしみ」を見出しているかのようである。
2年生になり新人大会で、強豪チームと対戦し、どんどん打ち込まれても、粘って繋いでポイントを取って競り合う部員の姿から、本当にたのしんでいることが分かった。
勉強も同じ。苦手な教科の内容にも、何か「できた」「分かった」という部分があるものである。そこが突破口になり、少しでも「好き」という気持ちが生まれたらチャンスだ。「嫌だけど努力する」は効果が上がりにくいが、「好き」なことは自分から実行でき、身につくのもはやい。
小さな「できた」「分かった」を「好き」にかえ、部活動も学習も「たのしめる」ようになると最強である。今週の期末テスト、7月から始まる各種目の大会で、苦しい場面でもたのしめるようになってほしい。