学校日記

6月9日(月) 「まねる」は「学ぶ」(学校集会より)

公開日
2025/06/09
更新日
2025/06/09

校長室より

 学校集会で、生徒に次のように話しました。

「こんなふうになりたい」「この人のようになりたい」と思う時、モデルとなる人のまねをすることがある。まねというと、独自性がないとか、安易にコピーするとか、マイナスのイメージをもつが、成長するためにはとても大切なことである。

 我々が小さい頃に言葉を覚えることができたのも、周りの大人の話す言葉のまねをしたからである。幼い子ばかりではなく、日本の誇るアニメ界の巨匠であるジブリの宮崎駿さんは高畑勲さんに憧れ、彼の考え方や立ち居振る舞い、話し方、そして文字の書き方まで、長年、徹底的にまねをして自分の基礎を築いたのだそうだ。

 「まねる」は古い言い方で「まねぶ」と言う。それが「学ぶ」の語源である。最初は形や表面だけをまねているかもしれないが、「もっと知りたい」「もっとできるようになりたい」「もっと近づきたい」と思って注意深く観察して繰り返し行うことで、その行動の意味や理由が分かるようになり、物事の本質を理解できるようになるのだと思う。人の成長の基本は、繰り返し「まねぶ」、ここにあるのだと思う。