3月7日(金) 卒業式 式辞より
- 公開日
- 2025/03/07
- 更新日
- 2025/03/07
校長室より
本日、第78回卒業式を行いました。式辞の中で、生徒に次のような話をしました。パリ五輪の競泳100mバタフライに池江璃花子選手が出場した。池江選手と言えば、中学生日本一、日本記録樹立、五輪出場と快進撃を見せたスター選手である。しかし、そんな活躍の中、18歳で白血病になる。それでも、長い入院生活や抗がん剤治療を受けながらパリ五輪出場を目指した。
そんな彼女を支えたのは一つ年上の持田選手である。中学時代からのライバル同士で、仲良しの二人は同じ大学のチームメイト。池江選手が白血病と戦っている最中に、持田選手も心臓の手術を受けることに。ともに本来の力を出せずにもがく日々…。「もう、水泳をやめたい」と思った時にも、互いの頑張る姿に励まされた。そして、日本学生選手権で二人は800mリレーに出場し、大会新記録で優勝。レース後に池江選手は「最後はチームとして仲間として一緒に戦えた。つらいところもたくさん見てきたし、お互い切磋琢磨してここまで来られたので、本当に感謝しかない。」と、泣きじゃくりながら持田選手への思いを語った。
そんな持田選手がコーチになり池江選手を支えて目指したパリ五輪。個人種目出場を果たしたが準決勝進出にとどまり、望む結果とはならなかった。大会後に池江選手は「人って悔しさを経験しないと成長できないと思うし、今はそう思うしかない。次に自分が何をしなければいけないのか考えて行動したい」と語り、これまで支えてくれた人への感謝を胸に、悔しさや苦しさをばねにして、次の五輪へ歩みだしている。
卒業生のみなさんは、これからの人生でいろいろな人と出会い仲間になる。そんな仲間と、競い、励まし、支え合う経験をが、いざという時に大きな力と勇気を与えてくれる。学年目標の「全力挑戦」を胸に、大切な仲間と困難を乗り越え、未来への道を拓いてほしいと思う。