9月1日(木)2学期始業式 校長先生のお話
- 公開日
- 2022/09/01
- 更新日
- 2022/09/01
校長室
2学期の始業式で、校長先生のお話がありましたので、お話の概要を紹介します。
<校長先生のお話の概要>
長かった夏休みが終わり、今日から2学期が始まった。今日、みんなが大きな事故やけがをすることなく、元気な姿を見せてくれたことを大変うれしく思う。
さて、一学期末から夏休み期間中、みんなが活躍する姿をたくさん見ることができた。
夏の大会の市大会や西尾張大会、県大会、バレー部の市民大会、水泳部の新人大会などの頑張り、新チームによる部活動の様子、高校の体験入学・学校見学会、さらには各学年の補充学習などなど、夏休み期間中であっても、今年の猛暑にも負けず、みんなの頑張る姿をいろんな場面で見て、たいへん元気をもらった。
この夏の生活を通して感じたこと、学んだこと、得られたこと、何でも良いので、ぜひ大切にして2学期からの学校生活に生かしていってほしい。
令和4年8月後半に、東京大学の池谷 裕二(いけがや ゆうじ)教授のお話を聴く機会があった。とても参考になるお話だったので、中中生のみなさんに紹介する。
※池谷裕二先生は、脳の記憶を専門に研究する大学の先生である。記憶が脳でどのようにして作られ、どこにたくわえられるのかなど、脳の仕組みを知らずして勉強することは、ルールを知らずしてスポーツの練習に励むことに似ていると言ってみえた。
日々、脳の仕組みを研究しているなかで、そこから気がついた効率的な勉強法を教えていただいた。
プロフェッショナル 学習の流儀
【池谷裕二(いけがや ゆうじ)先生のお話より】
1.同じ時間に起床・勉強・就寝する。
→ルーチン化は認知負荷を低減する。習慣にしてしまうとよい。
習慣化には、およそ2か月かかる。土日も同じ生活をするとよい。
2.同時に複数のタスクを行わない。(一つのことに集中)
→テレビやラジオをオフにする。勉強机のまわりに余計なものを置かない。スマホも。
3.定期的に休憩を入れる。
→基本的には、40分ごとに5分から10分の休憩が目安。
集中できているときは、続けたほうがよい。
休憩中は、何もしないことが肝心である。
4.勉強場所を時々変える。
→時々場所を変えたほうが、脳がリフレッシュして定着率がよい。
5.復習のタイミングを意識せよ。
→間隔をおいて、何回も復習をする。
6.応用性が高い学習を取り入れる。
→(例)90cmの距離からボールを入れる練習だけより、60cmと120cmの距離からボールを入れる練習を取り入れたほうが、その人の成功率は高くなる。
7.学習における望ましい困難は必要である。
→効率性や即効性を求めるのは間違っている。学習はつらいほうが定着しやすい。
8.不安事項を書き出す。
→不安は点数を下げる。書き出すと、不安なことが明確になり、解決しやすい。
9.テスト(小テスト、確認テスト)を取り入れよ。
→脳は、入力よりも出力を重視する。出力(アウトプット)が大事。
出力(アウトプット)の頻度によって定着が決まる。
→答えを推測することに意味がある。だから間違ってよい。失敗が学習を促進する。
10.よい姿勢、よい表情を心がける。
→表情や姿勢が感情を形成する。
<感情と表情の因果関係>
楽しい→笑う 笑う⇒楽しい(こちらのほうが、矢印が太い。)
11.やる気ではなくシステムに従え。
→やる気は行動の原因ではなく結果。予定時間になったら計画表通り勉強を始める。
やる気は、一過性で長続きしない。学習には続ける熱意が必要である。
12.モチベーションを刺激する友達を持つ。
→Good Friends は自分を高めてくれる。
13.結果よりもプロセスを重視する。
→そこに向かってがんばったことが素晴らしい。結果はあとからついてきているだけ。
14.毎日少なくとも8杯の水を飲む。
→75%の生徒は慢性的に水不足になっている。しっかりと水を飲むとよい。
<まとめ>
記憶とは、「失敗」と「繰り返し」によって形成され、強化されるもの
きちんと学習手順を踏んだほうが、結果的に失敗の数は少なくなる。
⇒ 「スモール・ステップ法」で進めるとよい。
このスモール・ステップ法をしっかりと実践しているのが元大リーガーのイチロー選手である。イチロー選手の次のことばがスモールステップの大切さをよく表している。
【イチロー選手の言葉】
小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道と思う。
(2004年メジャーリーグ年間最多安打記録を破った際の記者会見での言葉)
2学期は、10月の体育大会、11月の合唱コンクールなどたくさんの行事が行われる。それらの行事に意欲的に取り組むとともに、落ち着いてしっかり学習に取り組み、学力をつけていかなければならない時期でもある。
行事も授業も、すべて「自分自身を鍛える場」と考え、前向きにこつこつと取り組み、さらに成長していってくれることを期待して2学期始業式のお話とする。