3月20日 第72回卒業証書授与式 校長式辞「朝日の宝物」(「校長室」より)
- 公開日
- 2019/03/20
- 更新日
- 2019/03/20
校長室
式 辞
(略)
朝日西小学校を巣立っていく二十八名の卒業生の皆さん、ご卒業 おめでとうございます。先程、皆さんにお渡しした卒業証書は、一人一人が 小学校六か年の学習を 立派にやり遂げたという証です。大切にしてください。
本校は、一宮市内で最も小さい、小さいけれど家族のような心温かい学校です。卒業生のみなさんは、時にはお父さんやお母さん、時にはお兄さんやお姉さんのように、学校の中心となって朝日西小学校という家族の よきリーダーとして活躍してきました。
小さい子の手を引き、優しく声をかけ一緒に楽しんだ「なかよし集会」。毎日の登下校でも、最高学年として、班員の安全を守り、責任を果たした通学団。そして何といっても立派だったことは、運動会、発表会をはじめとする学校行事、そして陸上大会やサッカー大会、ミニバスケットボール大会など、各部活動での活躍です。中でも、金管クラブでは、限られた時間日数の中で、下級生のよいお手本となり、運動会や朝日連区防犯決起大会、尾西音楽祭で、見事な演奏を披露してくれました。
五月の修学旅行で、私は旅の先々で、観光客の方々から何度も声をかけられました。「この学校の先生ですか?」と。「はい、そうですが何か?」と答えると「『こんにちは!』と、本当に感じのいいあいさつができるお子さんたちですばらしい。」と褒めてくださるのです。東大寺で声をかけてくださったある老夫婦は、「足が痛そうな友だちに『大丈夫?』といたわっていましたよ。優しい子たち。私たちの孫もこんな風に友だちに優しく、仲良く育ってほしいです。」と微笑みながらおっしゃってくださいました。
そうした姿は、最高学年を名乗るのにふさわしく、地域や下級生に誇れるものでした。本当に頼もしい二十八人です。
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さて、卒業生の皆さんに、はなむけの言葉として「朝日の宝物」というお話をします。
皆さんは、低学年のときから、「まちたんけん」や「遠足」、「いきものさがし」や「ドンカチ太鼓」など、この朝日の地で、各学年、いろいろな体験活動を経験してきました。そして、この体験活動のなかで 自分たちが暮らしている朝日地区の自然や文化について学んできました。どれも、かけがえのない体験でした。
1月17日に開催した「地域の方から学ぶ会」を覚えているでしょう。本校は、「地域とともにある学校づくり」を学校運営の基盤として教育活動を進めています。そこで、朝日地区に根ざした地域の職業人を招き、働く上での苦労や失敗、喜びを聞く機会を持つことを通して、自分自身を見つめ、将来への夢や希望に向けて前向きに努力する意欲を持ってほしい、そして、この朝日の地を、もっと大切に思ってほしい という願いのもと、開催しました。
講師には、朝西っ子ならだれもが知っている写真屋さんをお呼びしました。その写真屋さんは、昭和51年から現在まで、40年間以上にわたり、ずっと朝西っ子の写真を撮り続けてくださっています。お仕事に向かう誠実な人柄に加え、子どもたちへの語り口調も優しく丁寧、信頼できる方と思い、講師を依頼しました。
講演の後半、「夢に向かって」というテーマでお話を聞きました。その中で、「平成七年 朝日奉賛会の歩み」というアルバムを見せていただきました。これは、朝日地区で国府宮の大鏡餅を作って奉納した時の写真集です。そのアルバムを見せながら、講師の写真屋さんは、力を込めてこう語ってくれたことを覚えているでしょうか?「あなた方は、朝日西も朝日東も、全部朝日地区の人として、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、あなたたちを本当に大切に思っているんです。あなた方は、朝日の宝なんです。私、本当にそう思います。」と。
このように 学校や地域など 様々な場で受け継がれる伝統や文化 そして、朝日を大切に愛する人々の思いや願いをしっかりと受け止め ぜひ、未来に受け継いでいってほしいのです。
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あおぎ見る空 あの色は ちちははも見た 青い色
高須賀山の あの空よ ああうつくしい あの色よ
これは、みなさんが6年間歌ってきた校歌の歌詞の一節です。この朝日の地で育ってきたことに誇りを持ち、この朝日西小で学んだ 心豊かでたくましく生きる力をいつまでも持ち続け、夢に向かってほしいと願います。
6年間で小さくなったもの、それは、机や椅子、標準服にランドセル。 そして、反対に大きく豊かになったもの、 それは、あなたの体、友情、そして未来への夢—。
正門横に、すっくとそびえ立つ 二本の大きな大きなクスノキがあります。みなさんのお父さん お母さん、おじいさん おばあさん、そしてひいおじいさん、ひいおばあさんのずっと昔の時代から、この朝日西小学校を見守ってきてくれたこのクスノキが、今日、巣立っていく卒業生二十八名のみなさんの健康と活躍を、これからもずっと見守っていてくれることでしょう。夢に向かって羽ばたく人生の中で、少し疲れた時は、いつでも クスノキの木陰に羽を休めに来てください。朝日西小のクスノキは、どんなときも、あなたを温かく迎えてくれることでしょう。
終わりになりましたが、6年間、本校の教育活動に対し、常に温かく見守り 支えてくださいました地域の皆さま、そしてご家族、保護者の皆さまに 心から感謝を申し上げます。卒業生が、今後さらにたくましく、そしてさらに心豊かに成長されますよう、お祈り申し上げます。ありがとうございました。
卒業生の皆さん、いよいよ お別れの時が近づいてきました。名残は尽きることはありませんが、大切な、大切なあなたたちの幸せを願う、多くの人達の気持ちを全て束にして、この言葉を贈ります。
「命を大切に 命を輝かせて」力強く生きてほしい。
皆さんの輝かしい未来に、幸多からんことを 心からお祈り申し上げ、式辞と致します。
平成31年3月20日
一宮市立朝日西小学校長 渡邊博司