学校日記

1月9日(火) 大切なこと<3学期始業式 式辞より>

公開日
2024/01/09
更新日
2024/01/09

校長室より

 3学期始業式で、生徒に次のように話しました。

 元日から能登半島を中心に地震が起こり、動揺が広がった。この地区でもスマホから緊急地震速報の警報音が鳴り響き、慌てた人も多かったと思う。石川県では建物の倒壊や火災、津波で亡くなられた方や、家族を失った方もたくさんいる。また、命が助かり避難をした方々も、停電や断水、道路の崩落などで生活が困難になっている様子が報道されている。この報道で、あたりまえのように感じていた普段の生活のありがたさや、命の尊さを改めて感じずにはいられない。
 被災地の状況を知った日本各地からは、水や食料、毛布などを届けたり、消防隊が救助に向かったりしている。一刻も早い救助・援助、そして復旧を願うばかりである。
 全国高校サッカー選手権が年末から開催され、被災した石川県の代表校が2日の3回戦に挑んだ。しかし、地元が被災したために応援団は会場に駆けつけることができなかった。それを知ったいくつかの高校の生徒たちが、急きょ石川県の代表校の応援にまわった。中には、その代表校のユニフォームの色に合わせて黄色のポリ袋をかぶって、選手を励ます応援をした学校もある。自分たちにできることはないかと考え、「苦しい状況でも頑張って乗り越えてほしい」という思いを、応援のエールにかえて届けたのだと思う。
 この地震で亡くなった方の中には、皆さんと同じ中学生もいた。きっと皆さんと同じように、新年を迎えてやる気に満ちていたのではないだろうか。だが、もうその思いを遂げることはできない。
 私たちには命があり、不自由のない普段の生活もある。被災して亡くなった方々が生きたくても生きられなかった日々を、私たちは命あることに感謝して、自分ができることは何かを考えて、精いっぱい生きていくことこそが一番大切なことだと思う。

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