11月28日(火) 最後まで諦めない(学校集会より)
- 公開日
- 2023/11/28
- 更新日
- 2023/11/29
校長室より
学校集会で、生徒に次のように話しました。
11月16日からの4日間、愛知県の豊田市や新城市などを舞台に、世界ラリー選手権の日本大会「ラリージャパン2023」が行われた。ラリージャパンでは合計22の区間を走り、そのタイムの合計で順位を競う。この世界ラリー選手権の最上位クラスに参戦するただ一人の日本人が、愛知県出身の勝田貴元選手である。昨年は同大会で3位に入賞し、今年は優勝も狙っていた。
勝田選手はまずまずの滑り出しで1日目は総合5位に付けた。しかし、2日目は朝からの大雨に足元をすくわれ、道路わきの木に車をぶつけてしまった。車の前方のヘッドライトは吹き飛び、ラジエターにも損傷を負った。それでも大破した状態の車でコースに戻り、何とか走ろうとした。途中で車を止め、道路わきの用水路から水を汲み、壊れたラジエターに注いでエンジンを冷やして何とか走り続けた。このクラッシュで順位を31位まで落としてしまい、優勝争いからは完全に脱落した。
しかし、勝田選手は「僕らのラリーはまだ終わっていない」と言って、修理した車で走ることを決意する。ここから勝田選手の快進撃が始まった。翌日は5つの区間でトップタイムをたたき出し順位を上げた。そして最終的には10区間でトップタイムを記録して、総合5位でフィニッシュした。
「優勝」という当初の目標には届かなかったが、アクシデントを乗り越え、驚異的な速さで31位から5位まで追い上げた勝田選手。来年はトヨタのレギュラードライバーに昇格が決まった。これも、「最後まで諦めない」という強い思いがあったからこそ、勝ち得たものだと思う。
みなさんの学校生活でも「部活動で思うように上手くならない」「努力しているけれど学習成績が伸びない」など、自分の思い描く通りに進むことばかりではないと思う。そして、「もうだめだ、無理だ。」と思う時こそ、不屈の精神で、最後まで諦めることなく、さらに努力を続けてほしいと思う。その積み重ねが勝田選手のように、次の道を拓くのだと思う。自分の力を信じて頑張ってほしい。