中部中日記

7月10日(月) 中中ヒストリー〜北舎の前の大きな岩石〜

公開日
2023/07/10
更新日
2023/07/10

学校の様子

 本日3年生がオンラインで実施した学年レクリエーション「中中王選手権」。その中で北舎南側の芝生にある大きな岩石に関する問題が出題されました。
 この大きな岩石について、学校新聞「青桃」51号(昭和42年10月25日発行)に掲載されていた当時のPTA会長さんによる記事を紹介します。(原文のまま、ただし人名はイニシャルとしました)

 「岩は生きている」
 日本一の貯水を期した矢作ダム建設のため、水没を予定されている東加茂の牛地という所から巨岩が中部中学校へ運ばれてまいりました。
 その昔からこの峻険の地を切り開いてきた人々の悲しみや喜び、語り尽せぬ苦難の数々、山合いの道の辺に、その歴史を刻み乍(なが)ら黙然と坐(すわ)り続けて来た石です。そして又、すべての思い出を後に四散して行く村人を見送り終えて、やがて湖底に眠ることを運命づけられた石でもあります。
 突然の本校からの話に、村の古老Iさんは欣喜(きんき)して巨岩搬出に取り組んで下さいました。石との苦闘は十日を越え、幾度か断念の声さえあがりましたが、庭師のOさんの「仕事こそ命」という信念と、村人達の「石にも日の目を」という愛情から、遂に巨岩は本校の庭に坐る日を迎えたのであります。
 この岩こそ歴史も容姿も寄付者Nさんの願い「不動の信念」にピタリです。皆さんが之を心の糧に、苦難をのりこえ強く伸び行かれる事を祈ります。
※矢作ダム…愛知県豊田市と岐阜県恵那市にまたがる、矢作川上流に建設されたダム。
※東加茂の牛地…現在の豊田市北東部(旧東加茂郡旭町)の地名。

 中中生のみなさん、機会があったら北舎の前の大きな岩石を、一度近くで見てみましょう。

※過去の「中中ヒストリー」は以下のリンクからご覧ください。
2月20日(月) 中中ヒストリー〜北舎西教室〜
2月25日(土) 中中ヒストリー〜正門〜
3月20日(月) 中中ヒストリー〜のこぎり屋根のある風景〜