中部中日記

1月24日(月)オンライン集会 校長先生のお話

公開日
2022/01/24
更新日
2022/01/24

校長室

本日、オンライン集会で校長先生のお話がありました。校長先生のお話の概要を紹介します。

<校長先生のお話の概要>

昨年度から、大学入試では、大学入学共通テストが実施されるようになった。国公私立大学及び公私立短期大学等がこの共通テストを入学試験で利用している。このテストでは、大学教育の基礎力となる知識・技能や思考力、判断力、表現力等を見ている。
 昨年度・今年度の共通テストからどのような力を求められているかを新聞記事から見てみたい。
1月19日の毎日新聞の「大学入学共通テスト分析」の紙面を見てみると、各教科、次のように分析されている。

【数学】構想力を要する問題増加
【国語】小説で読解問題増
【世界史B】 資料読解設問多く
【日本史B】読解傾向強まる
【物理】与えられたものを使って考察できるかが問われている
【生物】文章増加
【化学】グラフ・表から読み取り
【英語・リーデイング】情報処理力重視
【英語・リスニング】基礎力問う

この大学入学共通テストではどのような力が求められているのかを次のようにまとめてみた。
「大学入学共通テストで問われた力」= 読解力(読み取る力)である。

〇全科目⇒多様な資料を正しく読み取る力
 ・日常生活や学習の過程を題材とした問題文
 ・図やグラフ、統計資料など複数の資料

〇数学・理科・地歴など⇒解答に至る筋道を立てる力
 【自分が持っている知識や原理】と【問題文から得た情報】を結びつける

〇国語など⇒文章の内容を的確に表現する力

全てに共通してベースになっているのは日本語である。何が問われ、何を求められているのか、読書などを通して、読み取る力を普段から養っておくことが大切である。

大学が、入学してくる学生にこのような力を求めているのは、なぜだろう。
それは、これらの力が、社会に出てから必要になってくる力だからである。
社会に出てから活躍するためには、必要な情報をインプット(情報収集)し、自分の主張をわかりやすくアウトプット(発信)できなければならない。

みんなも、将来(社会に出てから活躍できる力をつけること)を見すえて、読解力(読み取る力)をつける努力をしてほしい。

現在中部中学校でも、読解力(読み取る力)をつけるために様々な取り組みをしている。その中の一つに毎週実施している「読み方レスキュー」がある。この「読み方レスキュー」にしっかり取り組むと、次のような7つの力がついてくるといわれている。

1.語や文の結びつきをとらえる力
2.言葉のきまりに即して読む力
3.文章と図とを対応させる力
4.論理的に推論する力
5.抽象的な表現と具体例とを対応させる力
6.対比・類似・並列などの関係をとらえる力
7.必要な情報を選ぶ力

昨年度から全学年で「読み方レスキュー」に取り組んでいるが、昨年度のリーデイングテストの結果と今年度のリーデイングテストの結果を比較すると、着実に力がついてきている。

3年生も2年生も、1.読字力(漢字を正しく読む力) 2.語い力 3.文法力 4.読解力(文章全般を読み取る力) すべてで昨年度よりも大きく力をつけている。
1年生のみんなも、来年度このようにすべての項目で力が伸びているとよいと思う。

 以上のことから、現在取り組んでいる「読み方レスキュー」や「朝読」などにしっかり取り組んでいけば、確実に力がついてくる。これからもがんばってほしいと思う。

 最後に、ジャーナリストの池上彰さんが2020年に出された「社会に出るあなたに伝えたい なぜ読解力が必要なのか」(講談社+αア新書)という書籍の中で述べられていることを紹介したい。

「ものごとを理解するいちばんの秘訣は、アウトプット(発信)を意識したインプット(情報収集)である。」
つまり、読書をしたり新聞記事を読んだりするときに、人に説明をする前提で問題意識を持って読むと、より深く理解できるということである。

毎日の授業の中で、よく自分の考えをグループや全体でアウトプットしているのは、「読解力」をつけるために大いに有効だということである。
みんなが、社会に出てから自分の力を思う存分発揮して活躍してくれることを願っている。