中部中日記

3月6日(金) 卒業式 校長式辞

公開日
2026/03/06
更新日
2026/03/06

校長室

寒さも和らぎ、うららかな春の光と香りに包まれる季節となりました。

本日、この佳き日に、ご来賓として一宮市教育委員会 教育委員様をはじめ、地域の皆様、そして多くの保護者の皆様のご臨席を賜り、令和七年度 第七十九回 卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとりましても大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。


卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

本日をもって、九年間の義務教育という大きな節目を終えました。皆さんが心身ともに健やかに、そして凛とした姿で今日という日を迎えられたことを、心から嬉しく思います。


皆さんとは、この一年間のお付き合いでしたが、私の中には、数えきれないほどの輝かしい場面が刻まれています。


まず、体育祭での軍団パフォーマンスです。互いに切磋琢磨しながらも、力強い掛け声と創造的な表現で応援を練り上げ、学校全体を一つにまとめ上げてくれました。学年全員が、行事の成功のために躍動する姿は、見る者すべてに大きな感動を与えてくれました。


また、合唱コンクールでアリーナいっぱいに響かせた、心の奥深くまで届くハーモニー。時にぶつかり、悩みながらも、粘り強く練習を重ねた先にたどり着いた「友情の絆」。それを歌声で表現する皆さんの姿は、後輩たちの憧れの的でした。


皆さんはこの一年、「この仲間と幸せになるために」という学年目標を掲げ、歩んできました。あの圧倒的な団結力は、単に「勝つため」だけのものではなかったはずです。隣にいる仲間と心を響かせ合い、全員で幸せな瞬間を分かち合おうとする純粋な願いがあったからこそ、あんなにも輝いていたのだと、私は確信しています。


行事だけではありません。日常の姿も大変立派でした。

授業に取り組む真剣な眼差しは、学び舎としての学校のあるべき姿を創ってくれました。そして、皆さんの挨拶。すれ違うたびに、笑顔で爽やかな挨拶を届けてくれる皆さんに、私は毎日、元気をもらっていました。

部活動でも、最後の一秒、最後の一球まであきらめず、仲間と声を掛け合い、励まし合って戦い抜きました。皆さんがもつ真面目さ、ひたむきさが、そこには溢れていました。


本校の合言葉である「みんなで築く誇れる中中」、そして私が目標として伝えてきた「凡事徹底」「やりきる」「思いやりの心」。これらを様々な場面で体現してくれた皆さんを、私は心より誇りに思います。


本日この会場には、皆さんの背中を追い続けてきた二年生が参列しています。皆さんが卒業してしまうことに大きな寂しさを感じますが、皆さんの立派な振る舞いは、二年生がいつもすぐ近くで、しっかりと見ていてくれました。中部中の良き伝統は、二年生へ、そして一年生へと、力強く、確かに受け継がれていくことでしょう。


さて、皆さんの門出にはなむけの言葉を贈ります。

それは、「雨だれ 石をうがつ」という言葉です。


「雨だれ」とは、屋根からぽたぽたと落ちる、小さなしずくのことです。「うがつ」とは、穴をあけるという意味です。つまり、小さな雨のしずくでも、長い間、同じ場所に落ち続けることで、やがては硬い石にさえ穴をあけてしまう。この言葉は、どんなに小さな力であっても、根気よく努力を続ければ、いつかは大きな成果が得られるということを教えてくれています。


もし、石を力任せに叩けばどうなるでしょう。きっと叩いた手は痛み、石はただ割れて砕けてしまいます。しかし、長い時間をかけて、じっくりと同じことをひたすらに積み重ねる。その継続こそが、一見不可能に思えることを実現させるのです。


これから皆さんは、さらに「自分探しの旅」を続けていきます。その中で、きっと「なりたい自分」を明確に思い描く時が来るでしょう。しかし、挑戦は決して平坦な道ではなく、失敗や挫折を経験することもあります。そんな時こそ、この「雨だれ 石をうがつ」のように、地道な歩みを止めることなく、一歩ずつ進んでください。焦って自分を追い詰めすぎてしまわないよう、時間をかけて自分を育んでほしいのです。


この教えは、私がこれまでお話ししてきた「折れない心」にも通じます。「折れない心」とは、固く頑丈な心ではありませんでしたね。粘り強く、あきらめない「しなやかな強さ」のことでした。地道にコツコツと毎日を積み重ねる。そのことが人生の揺るぎない土台となり、やがて大きな花を咲かせてくれることを、私は心より応援しています。


そしてどうか忘れないでください。「この仲間と幸せになるために」と手を取り合った経験は、これから出会う新しい環境においても、周りの人と幸せを築いていくための大きな力となります。皆さんの周りには、困った時に手を差し伸べてくれる人、応援してくれる人が必ずいます。ぜひ、自分を信じ、仲間を信じて、安心して一歩一歩前へ進んでいってください。


最後になりましたが、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。今日、子どもたちは卒業していきますが、まだまだ心揺れ動く年頃です。どうか、これまで以上に、目をかけ、心をかけ、変わらぬ愛情で、子どもたちの良きサポーターであっていただきたいと思います。私たち教職員一同、いつまでも卒業生を応援し続けてまいります。これまで本校に寄せられました温かいご支援とご協力に、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


それでは卒業生の皆さん。皆さん一人一人が、新しいステージでも笑顔でたくましく歩みを進め、「幸せ」をつかんでくれることを、そして、中部中学校の仲間を「心のふるさと」として、一生大切にしてくれることを願い、式辞といたします。


令和八年三月六日 一宮市立中部中学校長  長谷川伸弘