10月10日(金) ヨーロッパの統合【1年社会】
- 公開日
- 2025/10/10
- 更新日
- 2025/10/10
1年
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1年生の社会の授業のようすです。「ヨーロッパの統合による課題を考えよう」というめあてで学習を進めていました。
ヨーロッパの統合、特に欧州連合(EU)の活動によって生じている主な課題や問題点はいくつかあります。代表的なものは3つありましたね。
1. 経済的な格差の拡大とユーロの課題
EUには、ドイツやフランスのような経済的に豊かな国と、そうでない国があります。統合によって人や物の移動が自由になった結果、豊かな国に企業が集まったり、貧しい国から仕事を探して人が移動したりすることで、国と国の間の経済的な差がさらに大きくなることがあります。
多くの国がユーロという同じ通貨を使っていますが、これは国ごとに経済の状況が違っても、自分で金利を変えるなどの調整ができないことを意味します。そのため、経済が苦しくなった国が、通貨を安くして輸出を増やすといった対策がとりにくく、「ユーロ危機」のような問題につながることがあります。
2. 移民・難民問題と国境管理
人の移動の自由化と雇用: EUの統合で、EU域内の人々は原則として自由に国境を越えて住んだり働いたりできます。これにより、賃金の安い国から高い国へ労働者が移動することで、受け入れ国の一部では「自分たちの仕事が奪われる」といった不安や不満が生まれることがあります。
ヨーロッパの外から多くの難民や移民が流入してくる問題に対し、どの国がどれくらいの責任をもって受け入れるかで、加盟国の意見が対立することがあります。
3. 各国の主権とEUのルール
EUのルールと国の自由: EUでは、環境や貿易、農業などさまざまな分野で共通のルール(法律)が決められます。これはEU全体で協力して問題を解決するために必要ですが、「EUが国の政治に干渉しすぎだ」「自分たちの国で自由に決められなくなる」と感じる国民や政党もいます。
このような不満から、イギリスがEUから離脱したブレグジットのように、EUからの離脱を主張する動きが他の国でも見られることがあります。
これらの課題は、EUが「国境をなくし、共に助け合い、平和で豊かなヨーロッパ」を、めざす中で、それぞれの国の事情や国民の感情とぶつかり合って生まれていると言えますね。