2月6日 「小・高連携」尾西高等学校の皆さんありがとうございました(「校長室」より)
- 公開日
- 2019/02/06
- 更新日
- 2019/02/06
校長室
本校は、信頼される学校をめざし、開かれた学校づくりを進め、その一環として、中学校区の連携をしています。同じ中学校区の小・中連携、小・小連携は、多くの学校で行っていますが、本校のように「小・高連携」をしている学校は、全国的にも珍しいのではないでしょうか。本校は、5年前から、地元の高校生とのパソコン交流を通して、パソコンについての興味を深めたり技能を向上させたりするとともに、近い将来の自分の姿や進路について考える機会とするために、尾西高等学校情報ビジネスコース2年生との「パソコン交流」を続けています。対象は、本校の5年生の児童で、3限にパソコン室で行いました。
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〈授業の内容〉
(1)プレゼンテーションによる尾西高等学校情報ビジネスコースの紹介
(2)タイピングのデモンストレーション
(3)授業制作「アニメーション作品」の紹介
(4)実習・個別指導
・「タイピング練習」
・「ワードを使ったメッセージカード作り」
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高校生によるスクリーンを使ってのプレゼンテーション(発表・説明)は、大変わかりやすく、話も簡潔、そして表情も豊かで、引き込まれそうでした。そして、実習・個別指導の時間では、本校児童の机の近くには、2〜3人の児童に対して1〜2人の高校生がすぐ近くにつき、いわゆるTT(チームティーチング)形態で教えてくれていました。
大変感心したのは、尾西高校の生徒さんたちの「相手の立場に立った教え方」と「感じの良さ」でした。小学生の児童にあれもこれも、全て手取り足取り教え込むのではなく、適度な距離感を保ちながらも、小学生がちょっと困ったり悩んだりした時に、「どう?大丈夫?」「こうするやり方もあるよ。」と小学生に選択肢を与えたり気づきを与えたりするアドバイスをするのです。しかも、支援する時は、小学生の目線になって親身に受け答えをしていました。高校生の根底に、「ただ教えればいい」といった短絡的な思いはなく、「どうしたら小学生の興味をひけるだろうか」「どうしたら分かりやすく伝えられるだろうか」といった、相手の立場に立った優しい心が根底に流れていると感じました。そしてその優しい心が、感じの良い対応に表れていたのだと思います。
本日は、尾西高等学校の3名の職員の皆様に加え、校長先生、教頭先生にもおいでいただき、交流の授業を参観していただきました。こうした、高校生による分かりやすい説明の仕方や教え方の工夫、優しい心は、日ごろの高校生活の中での教職員の皆様の指導の賜物と拝察しました。
あまりに高校生の教え方が上手でしかも感じが良いので、何名かの生徒さんに声をかけました。「準備は大変だったことでしょう?」と聞くと、ある生徒さんは「はい、ありがとうございます。5時間ほどかけて協力して準備を進めてきました。どうしたら小学生が分かりやすく聞いてくれるかなあと思いながら準備してきました」と。別のある生徒さんに、「将来は何になりたいですか?」と尋ねると「はい、保育士です。」と即答してくれました。「あなたのように明るく優しい人は、きっといい保育士さんになりますよ。」と言うと、ニコッと笑顔で「ハイ!ありがとうございます!」と満面の笑顔で返事が返ってきました。またある生徒さんは「高校で学んでいる情報活用やパソコンなどを使った音楽活動をしていきたいと思っています。」と。
また、授業の冒頭に、タイピングのデモンストレーションで見事なタイピングを披露してくれた生徒さんに、「素晴らしいタイピングでしたね、驚きました。どうしたらあんなに見事なタイピングができるのですか?」と声をかけると、「ありがとうございます。今僕は準2級を持っています。コツというか、毎日必ず1時間タイピングの練習をしています。長い時間やったりやらなかったりではなく、毎日必ず1時間、コツコツ練習を続けると上手になれました。」と、謙遜しながらも、技術のコツを教えてくれました。
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こうした、生徒さんの姿勢や考え方、受け答え、そして将来への自己実現へ向けての思いに大いに感心し、間もなく授業が終わろうとするところで、私は涙が出そうになるほど胸が熱くなりました。それは、本校出身の生徒さんが、本校5年生児童へのメッセージを話してくれたことです。ここに、メッセージの大まかな一部を紹介します。
「私は今から5年前に朝日西小を卒業しました。当時、小学生だった私たちも、こうして同じように尾西高校の先輩たちにパソコンを教えてもらったことを覚えています。
朝日西小は、昔も今もとても小さい学校です。とても小さい学校ですが、みんな家族のように仲が良く過ごしているのが朝日西小学校のよいところです。みなさん、大切な小学校の生活は、あっという間に過ぎてしまいます。小学校の生活を大切にし、みんな仲良く楽しく過ごしてください。今日はありがとうございました。」
会場一杯に拍手の渦が起こりました。私はもとより、その場にいた本校児童皆、そして職員皆、「ファミリー朝西」を合い言葉にしている本校にとって、大切な宝物を教えてもらったような気がしました。
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本日、このように着実に自己実現されている高校生の生徒さんと身近に交流する機会を与えていただいたことに深く感謝いたしております。この場を借りて尾西高等学校様にお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
今後も本校は、地域の皆様に協力をいただきながら、開かれた学校づくりを進めていく中で、信頼される学校をめざしてまいります。