３年生のみなさんのご卒業にあたり、谷川俊太郎さんの詩「ありがとう」を送ります。

　ありがとう　　　谷川　俊太郎

　空　ありがとう　今日も私の上にいてくれて　曇っていても分かるよ

　宇宙へと青く広がっているのが

　花　ありがとう　今日も咲いてくれて　明日は散ってしまうかもしれない

　でも匂いも色も　もう私の一部

　お母さん　ありがとう　私を生んでくれて　口に出すのは照れくさいから

　一度っきりしか言わないけれど　

　でも誰だろう　何だろう　私に私をくれたのは？

　限りない世界に向かって私はつぶやく　私　ありがとう

　卒業生の皆さん、卒業おめでとう。私は、君たちが地道な努力を続け、予想を超えて成長していく姿に感動を覚えてきました。中でも心から誇れることは、体育祭と合唱祭です。「縦割りでの応援や練習」という難しい課題に対して、創造力を駆使し、一致団結して目標に向かって取り組み、新しい東中の伝統を築いてくれました。ありがとう。君たちの輝く姿は、後輩たちの目に焼き付き、さらに進化させていってくれるに違いありません。

　君たちは大きな存在になれる可能性の塊です。君たちは今の自分にできることで、自分の価値を判断してはいけません。これから自分を磨くことによって、どんなに大きな意味をも自分の人生に与えることができます。磨くことができるのは自分だけです。あきらめずに、こつこつと、応援してくれる仲間とともに、今すべきことに集中し、自分磨きを重ねていきましょう。自分の本当の気持ちを見つめ、誠実に悩み、自分にとっての幸せ、夢について考え続け、夢中になれるものを見つけてください。

　どうか、皆さん、苦しいときも「私」を大切にしてください。そして、現状に満足することなく、いつもなりたい自分をめざして、明るくポジティブに、それぞれの道を進んでいってほしいと心から願っています。未来に向かってひたむきに頑張るみなさんを、これからもずっと応援しています。　　　　　　校長　芳賀　康臣