1. 『枕草子』 - 清少納言

• 成立: 平安時代（10世紀末～11世紀初）

• 特徴: 宮廷生活の様子や自然の美しさを、鋭い観察力と軽快な筆致で綴った随筆。

• 内容: 「春はあけぼの」に代表される四季の描写や、人物評などが多く含まれ、知的でユーモラスな視点が際立つ。

2. 『方丈記』 - 鴨長明

• 成立: 鎌倉時代（1212年）

• 特徴: 無常観を主題とし、自然災害や社会の変遷を冷静に描写した作品。

• 内容: 鴨長明が隠棲した「方丈庵」での生活を通じて、人生のはかなさや仏教的思想を語る。特に「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」の一節が有名。

3. 『徒然草』 - 吉田兼好

• 成立: 鎌倉時代末～室町時代初（14世紀）

• 特徴: 人生観や社会批評を交えながら、多様なテーマを自由に綴った随筆。

• 内容: 一連の短文が積み重なった形で構成され、簡潔でユーモアのある語り口が特徴。現代にも通じる深い洞察が随所に見られる。

これら三大随筆は、それぞれ異なる視点から人生や社会を描いており、日本文化を理解する上で欠かせない作品です。