学校日記

12月23日(月)2学期終業式

公開日
2024/12/23
更新日
2024/12/23

校長室から

2学期終業式を行いました。配信は屋内運動場から,生徒たちは教室で参加しました。
国歌と校歌を久しぶりに教室で歌いました。オンラインによるタイムラグ等で歌いにくかったという声を聞きました。「式で歌い,節目とする」ために,改善案を模索したいと思います。
生徒指導担当,安全指導担当から以下の指導をしました。ご家庭でもご協力ください。
<生徒指導>
1 スマホ、SNS
・誘いに注意,投稿内容に注意
2 不審者被害防止
・日没が早い,お金の扱いや管理,出歩く時間帯と仲間をよく考えて
3 命を大切に
・悩みがあったら相談をする
・一人で抱え込まない
・SOSを受け取った場合も相談をする

<安全指導>
1 確実な安全確認
・ミラーだけでなく目視を,左右と背後の確認
2 ヘルメット着用
・あごひもの調整,
・命を粗末にせず大切にするために
3 暗くなってから
・反射板,ライト点灯で,相手に認識してもらえるように

校長からは以下のような話をしました。
========
 2024年の漢字は「金」第2位は「災」でした。オリンピック・パラリンピックの年の「金」は,5回目だそうです。元日の地震から能登の現状は,想像をはるかに超える困難さが続いています。私たちも,心,物,行動を災害に備える必要性が高まっています。
 2学期の振り返りについては,各学年で十分行われていると思いますので,今日は触れません。

 さて,今年の漢字発表より前に発表された「新語・流行語大賞」の年間大賞には,「ふてほど」が選ばれました。知っている人も多いかと思いますが,ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称です。12月4日付の中日春秋の評では,「昭和賛歌のドラマではない。昭和の粗暴で無神経な部分を否定しつつ,生きづらい令和に対しては互いへの寛容さをやんわりと求めている。」としていました。
 この記事の中には,イギリスのオックスフォード大学の今年の言葉にも触れています。それは「BRAIN ROT(腐り脳)」で,「特に取るに足らない,あるいは興味をそそらないとされる素材(現在では特にオンラインコンテンツ)の過剰消費の結果として見られる人の精神状態または知的状態の想定される悪化。また,そのような悪化につながる可能性が高いと特徴付けられるもの」と定義されているそうです。
 言葉が難しくてわかりにくいので,簡単に言います。
 便利なはずだと考えたり便利を求めたりして開発・進歩してきたデジタルコンテンツやツールが,当初の目的で人に利用されるのではなく,人が人でなくなってしまうような利用に傾いてしまっているということだと考えます。

 オーストラリア議会が今年11月28日に16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法案を可決しました。
 法律で制限することと,法律がなくても自ら制限することの目的は,元をたどれば自身の幸せと他人の尊厳で同じはずです。他律と自律では,一人一人の事に向かう気持ちと姿勢が変わってきてしまう可能性があります。
 コンプライアンス,ハラスメント防止など,二人以上の人が生きていく上ではどれも重要なことですが,次々と社会で求められ,ともすると罰せられる世の中になっていってしまっている気がしてなりません。

 みなさんには,よりよい社会を作り,人が人を罰する世の中ではなく,新たな価値や強い絆を生み出すための力を付けて社会に貢献できるようなってほしいと思います。
 人の尊厳や命について本質的に考え,誰も傷つかず傷つけずに,万が一,傷ついたり傷つけたりしても修復できる自分自身と関係をつくっていかなければなりません。
 自然体でそれぞれの輝きを放って,共に学び,互いに高め合える新年を迎えてほしいと思います。