中部中日記

12月23日(金)2学期終業式 校長先生のお話

公開日
2022/12/23
更新日
2022/12/23

校長室

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本日、2学期の終業式を行いました。校長先生のお話がありましたので、その概要を紹介します。

<校長先生のお話の概要>

 今日で長かった2学期が終わります。この2学期の自分自身の取り組みを振り返ってみてください。自分なりに最後までやりきったこと、途中で終わっていること、ほとんど、または全くできていないこと・・・振り返ってみると、満足できたことから反省点までいろいろと思い浮かんでくると思います。
 しっかりとこの2学期を振り返って、改善すべき点があればその対策を考えて 3学期からの計画を立てそれを実践していくことが大切だと思います。

今日は、水木一郎さんというアニソン歌手のお話をします。アニソン歌手ってわかりますか。テレビなどのアニメ番組の主題歌や挿入歌を歌っている歌手のことですね。
 水木さんは、プロ野球・中日ドラゴンズの応援歌「燃えよドラゴンズ」を長年歌っていますから歌声を聴いたことがある人は多いと思います。

水木さんはが歌手としてデビューしたのは20歳の時だそうです。どんな歌でもとても上手に歌えたのですが、歌手として人気はあまり出ませんでした。
あるとき、お客さんに「あなたの歌には個性がない。個性がないからダメなんだ。」と言われました。自分のレコードをポイッと投げ捨てられたこともあったそうです。
水木さんは、「もう歌手をやめようかな」と思ったそうです。そんなふうに悩んでいたころに、あるプロデューサーが、「アニメソングを歌わないか」と声をかけてくれたそうです。
その当時のアニメの主題歌は、レコードジャケットやテレビに顔が出ないので、あまり人気のない仕事でした。歌謡界の中でも、アニメソングを歌う歌手はかなり格下に見られていたそうです。
 水木さんは、まわりから何を言われようともアニメソングを歌うことに誇りを持ち、全力で取り組みました。そうやって頑張っているうちに、次第に水木さんの歌声は人気となり、アニメソングの仕事が徐々にくるようになったのです。

そして「マジンガーZ」というアニメの主題歌を歌ったとき、その曲が爆発的にヒットし、水木一郎さんの名前は広く知られるようになりました。

水木さんは、マジンガーZをはじめ、超電磁ロボ・コンバトラーV、宇宙海賊キャプテンハーロック、ジャングル大帝、ルパン三世愛のテーマ がんばれロボコン、仮面ライダーX、仮面ライダーストロンガーなど1200曲ものアニメソングを歌い、今では「アニソン帝王」と呼ばれたり、熱狂的なファンからは「アニキ」と呼ばれたりして尊敬されるまでになったのです。



水木一郎さんの歌うスタイルは、「自分の個性を消して、アニメの主人公になりきって歌うこと」だそうです。
「アニメソングを歌う時には、水木一郎の中にいろいろなヒーローの個性が入ってくるのです。無個性だからこそ、そのキャラクターになりきれるんだ。」と水木さんは語っています。

「あなたの歌には個性がない。個性がないからダメなんだ。」とお客に言われたことで歌手をやめようと思ったけれど、自分の弱い部分を自分の強みに変える努力や工夫をしてきたおかげで、今の水木一郎という存在にまで成長したのだと思います。

水木さんの人生は「道なき道を歩んだ人生」といえると思います。水木さんのおかげで、今ではアニメソングは大人気となり、若者たちの多くがアニソン歌手や声優を目指すようになりました。

「歌える場所があったら、杖(つえ)をついてでも、ステージに立って歌いたい。生涯現役でアニメソングを歌います。」というのが水木一郎さんの口癖であり信念であったそうです。

 残念ながら水木さんは今月12月6日に74歳で亡くなりました。でも直前の11月27日のコンサートでも車いすでアニメソングを歌いました。まさに、最後まで自分の信念を貫き、やりきった人生だったと思います。きっと天国で「やりきったゼーット!」と言っていると思います。
 
 みなさんの中に、「どうせやっても駄目だから」とか「自分には能力がないから」なんて言い訳を作って、初めから諦めている人はいませんか。

水木一郎さんのように、どのようにしたら自分の能力を磨き、向上できるかを冬休みにしっかりと考えてみてください。必ず自分が誇れるものが見つかるはずです。
みなさんが、3学期に笑顔で登校してきてくれることを楽しみにしています。