学校日記

5月11日 6年 夢と希望のはなし

公開日
2020/05/11
更新日
2020/05/11

6年生

夢と希望のはなし。

学校という、この社会において当たり前であった場所が、そうではなくなってしまった今。
きみたちは、何を思って、何を感じて生きる。


2016年夏。
イラクのエルビルという都市での話だ。
ここには、シリア紛争によるたくさんの難民が押し寄せてくる。
難民キャンプと呼ばれる場所や、戦争で怪我をした人々が運ばれる病院など、戦禍に生きる人々の心にふれる旅に出た。

今日は、シリア難民の子どもたちが通う学校での話をする。

戦争によって、故郷を出なくてはならなくなったシリアの子どもたちが学ぶ場所。ありきたりかもしれないが、僕は、子どもたちに夢を聞きながら教室をまわった。

多くの子どもたちが、高々と手を挙げて言う。

医者になりたい。
教師になりたい。
ミュージシャンになりたい。
サッカー選手になりたい。

そんな中、一人の男の子が怒りを込めて言った。

「夢はない。」

「僕たちは、故郷を奪われ、家族を奪われ、夢や希望まで奪われたんだ。」


前に立つ彼らの先生は、迷うことなく返した。

「夢や希望は奪えない。君はなぜ学校に通う。必死に勉強をして、自分の道を切り開きなさい。」

子どもたちと先生のやり取りに、深みがあって温かみがある。人間味に溢れている。
命をかけて向き合っている。


あのときの彼の言葉を借りて言う。

今という時が、どれほど苦しい時間であっても、
きみたちの夢や希望など、誰にも奪うことはできない。


この前、ドラえもんも言っていた。
それも載せておこう。

「だいじょうぶ。未来は元気だよ。」


きみたちが学校に来る日を待つ。
みんなで、明るい場所をつくろう。
夢や希望で満ち溢れる場所にしよう。


あ、算数の答え少し待ってて下さい。