4月8日 「自立」の本質
- 公開日
- 2013/04/08
- 更新日
- 2013/04/08
こころを育てる
今日は身体測定と学級活動を中心にして半日が無事終わりました。欠席者がとても少なかったことも喜ばしいことでした。明日は、いよいよ学力テストです。これまでの自分の力を知るとてもいい機会です。しっかりと取り組んでほしいと思います。
さて、繰り返し皆さんに伝えている大きな二つの目標「自立」と「貢献」ということ。今日は、「自立」について考えてみましょう。
「自立」とは、自分一人の力で何でもやろうとすることでしょうか。いいえ、それは強さ(自立)とはいえません。もっと人に頼ってもいいのです。
ある高校生に、いい大学から招待が来ました。しかし、とても学費が高い大学だったので、彼は家族に迷惑がかかるのでは、と悩んでいました。そんな時、いとこの伯母さんが学費を負担してくれると言ってきました。彼は「そんなことを人に頼ってまですることではない。自分の力でできる範囲でやるのだ。」と断りました。高校生にしては立派な言葉のように聞こえますが、何でもかんでも自分一人の力でやろうとするのは決して強さではないと思います。言い方を変えると、そういう考え方は、ある種、傲慢だともいえるのではないでしょうか。
なぜなら、人は自分一人の力だけで生きて行く事はできないからです。
人間は、支え合って生きています。誰もが誰かに頼って生きています。そのようにして社会もできています。
「自分一人の力で何でもやる。」「今までも、自分一人の力でやってきた。」という言葉には、傲慢さを感じます。
『本当の強さ(自立)』とは、自分の弱さを認める事。そして、その弱さを補ってくれる人に助けを求める力のことです。逆に自分の強い部分を頼って来た人には、助けを差し伸べる事です。
すばらしい学校は、いい先生がいるからできるわけではありません。『本当の強さ(自立)』をもった子どもたちが集まっているから素晴らしい学校になるのです。
人は個人で生きているのではありません。社会で生きています。コミュニティ(学級や学年、群団など)で生きています。社会やコミュニティはお互い支え合ってできています。
たとえばケガをしたら、病院にいって医者に見てもらうはずです。これは弱さではありません。できるだけ早く適切な方法でケガを治す事こそ強さ(自立)です。医者に助けを求める事こそ強さ(自立)です。
人は環境や状況によって自分の力では乗り越えられない障害もあります。でも、その障害を克服しなければならないとしたら、一人で克服しようとするよりも、多くの助けを得て克服すればいいのです。それは弱さではありません。それこそが強さ(自立)なのです。正しい判断力を持ち、勇気を持って行動できる力。正しい判断力とは、引き返す勇気も含まれていることを忘れないでください。y
明日からまた、がんばりましょう。