3月19日(水) 卒業式より
- 公開日
- 2025/03/19
- 更新日
- 2025/03/19
校長室より
式辞(前 一部略)
96名の6年生の皆さん、みなさんはこのあと、中学校という新しい場所で学校生活を送ります。楽しみですね。心配なこともあるかもしれませんが、宮西小学校を卒業するみなさんなら、確実に前に進めると信じています。4月から過ごす場所は、夢を叶えるための場所として、あなたたちを暖かく迎えてくれるはずです。ところで、宮西小学校で過ごした日数はどれくらいだと思いますか?1161日間です。新型コロナウイルス感染症による休校がなければもう少し多くなっていました。今伝えたこの時間、この中にはたくさんの出来事が詰まっています。
一番記憶に残っていることは何でしょう?
修学旅行でしょうか?それとも担任の先生や友達と過ごした授業・運動場で走り回った放課の時間でしょうか?新型コロナウイルス感染症による休校期間という人もいるかもしれませんね。あれから世の中の活動・生活様式は大きくかわりました。もしかするとこの先、また新しい感染症が流行するかもしれませんし、大きな自然災害がくるかもしれません。
今、私はこの先…という言葉を使いました。みなさんの中には先のことを考えると不安になったり、計画を立てることが苦手だったりする人がいるかもしれません。私もそうです。「では、なぜ不安になるのでしょう」。
6年生までに習った漢字の中に、「そうではない」「認めない」などと打ち消す意味を表す漢字がいくつかあります。
「不安」の「不」もそのひとつです。安心できない、安心という意味を打ち消す言葉です。いずれくるであろう事がわからない、先が見えない。だから人は不安になるのです。では、未来のことがわかったら?先のことがわかり、そのための準備ができたらどうでしょうか。
例えば・・・
みなさんも知っている猫型ロボットがいて、タイムマシーンに乗せてもらえれば、数年後の様子がわかり、準備ができるので、きっと安心できるでしょう。残念ながら、今はまだその猫型ロボットは完成していません。「未・完成」です。「完成」を打ち消す「未」これも否定の漢字です。しかし、この「未」の意味は、まだその時がきていない。これからその事が実現する、といった希望の持てる漢字です。ですから、先のことがわからないということは、不安でもある…けれど、楽しみでもあるのです。
そして、「未完成」と同じような言葉に「未熟」という言葉があります。私も含めたこの体育館にいる人たちはみな「未熟」です。
完全ではなく何か不得意な部分があったり、弱点があったりします。そしてこれからの成長の中で、それを補うための勉強をしていくのです。
ここで、一つ問題を出します。昨年度の日本人の平均寿命は男女合わせて約84歳です。この84歳を一日の終わり、24時とします。みなさんは6年生12歳。12歳は何時ころ、と思いますか?割合の計算です。習いましたね。計算すると、夜明け前の早朝、3時24分ころです。その時間は、将来のことを考えたり、夢を見たりと、思いを巡らせる、そんな時間であり、動き出すための力をたくわえ、心も身体も準備している時間です。だから今、焦る必要はありません。すべてはこれからです。そこでお願いです。
その準備の時間の中で、少しずつ、ゆっくりでいいので、夢の形を具体的にしていってください。描いた「夢」は、悩んだとき自分を励ましてくれます。迷ったときに進む道を示してくれます。疲れた時、再び前に動き出す力になります。
「夢は空高く、努力は足元に」
さて保護者の皆様、本日をもちまして、義務教育前半が終了します。この6年間、教職員が、卒業生の成長を見守りつつ、精一杯努力したつもりではありますが、至らない点も多かったと思います。それにもかかわらず、本校に、私たち教職員にお寄せくださいましたご理解とご協力に対して、心より御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。さあ、卒業生の皆さん。次のステージに向かって、前を向き、笑顔で旅立ってください。皆さんの前途に 幸多かれと祈りつつ、式辞とさせていただきます。
令和七年三月十九日 一宮市立宮西小学校長