2月4日(火) 1年生 沃野に風 vol.9
- 公開日
- 2025/02/04
- 更新日
- 2025/02/04
1年生
“根”
暦の上では「立春(りっしゅん)」を過ぎて春になり
春を運んでくる東からの風「東風(こち)」が吹く時季
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ
平安時代に大宰府に左遷された菅原道真は、東風が吹く頃、都に残した梅の木を愛しむ歌を詠んだ
が、今冬最大の寒波が襲来した今日
春を感じる余裕も風情もないだろう
凍える肌、かじかむ指
こんな日はじっと耐える心しか生まないかもしれない
しかし目に見えない地中には
凍える寒さにじっと耐え
春に備えて栄養を蓄えている生命の鼓動が確かにある
根には二つの役目があるという
一つは水と栄養分を吸い上げ地上部まで届けること
もう一つは木の幹を支えること
木々が成長できるよう養分を供給し続ける根
木々の成長を下からがっしり支えてくれる根
根がしっかりしている木にはいつか満開の花が咲く
たとえ今すぐ結果は出なくとも
地道な歩みの継続でいつか必ず花開く時が来る
その時のために、下へ下へと根を伸ばし
希望をもって力を蓄えていたい
冬だからこそ
※上掲は、2000年シドニーオリンピック・マラソン金メダリスト高橋尚子さんの恩師の言葉とされるが、明確なところは不明。多くの人が感銘し受け継がれている至言。