今中日記

7月19日 終業式

公開日
2013/07/19
更新日
2013/07/19

お知らせ

 暑い体育館でしたが、生徒の皆さんは真剣に終業式に参加できました。特に、校長先生からの式辞を聞いている様子は、ピンと張り詰めた空気が漂うほどのものでした。校長先生のお話をかいつまんで載せます。
 長谷川穂積選手。プロボクサーでミドル級とその2階級上のフェザー級の両方で世界チャンピオンをとるという信じられない実績を残しているすばらしい選手です。彼は、チャンピオンになってからなんと10度の防衛に成功しました。さらに、4度の年間MVPを受賞しており、超高速の連打と絶妙なカウンターパンチ、卓越したディフェンステクニックとスピードを誇る名選手です。
 彼が本物の“強さ”について意外なことを話したエピソードを紹介します。インタビューに答えてこう話しました。「強さは、やさしさだとは思うんですね。試合が終わって相手をたたえられない人間なんて、そのうちすぐ負けますよ。ボクシングがむちゃくちゃ強いし、周りに対してもむちゃくちゃ優しいやつって、ほんまに強いやつやなと思うんです。強い優しさをもっている、思いやる気持ちが強いやつが、強いやつじゃないですかね」
 市大会でのサッカー部の選手の動きは、まさにこの通りであり、とてもすばらしいものでした。そんな今中生を誇りに思います。
 ところで、試合への道のりは、不安との戦いでもあります。どれだけ努力を重ねても、不安が消えることはありません。そんな不安を長谷川選手は、前に進む力に変えていきます。
「負けるかも知れないという不安があるからこそ、練習に集中できるし、必死に努力できる」
 彼は、「リングに上がった時、不安を払拭できる根拠はただ一つしかない。それは、『自分が納得しきるまで練習した』という自信だ」と話します。そして、その不安を払拭するために行うことはただ一つ。練習しかないと。不安から逃げず、むしろそれを受け止め、練習への原動力にすることができたからこそ、彼は二階級の王者に輝いたのだと思います。
 勉強すればするほど、練習すればするほど「不安」は大きくなる。でもその「不安」を消し去るにはただ一つ、「自分が納得しきるまで練習(勉強)した」という自信をもつことです。
 そのためには、しっかりとした計画が必要です。そしてそのための心の準備も必要です。
 ただ、計画はうまくいかないことが多いですね。そこで、半分実現できたら「よし」と納得しましょう。そして、もう一度今の状態を見直し、計画を立て直せばいいのです。もう一回再チャレンジしましょう。
 思うようにいかないことがたくさんありますが、そのつど、振り返り、仕切りなおし、挑戦し続けてほしいのです。「願い続ければ、いつかかなう」という言葉には、何度でも挑戦し続ける勇気があったからだということを忘れないでください。
 最後に、夏休み。自分と他の人の「命」を大切にしましょう。LINEで相手に「死ね」と送った16歳が、恨みを買って命を落としたり、名古屋では同じ「死ね」という言葉が原因で自ら命を絶った生徒がいます。
 たった一言が、人の命さえ奪う。これは恐ろしいことです。そしてどこかがおかしい。こんなことが繰り返し起こる時代にしてはいけないと思います。そんな社会にしてはいけないのです。
 何が正しくどう行動すればいいのか、「自立」の心で、今年の、一生に一度の中一の、中二の、中三の夏を充実させて下さい。