今中日記

4月12日 ある学級にて

公開日
2012/04/12
更新日
2012/04/12

お知らせ

 「どんな絵がうまい絵なんだい?」校長先生からの質問です。利き手で描いた、器用で上手な絵。反対の手で描いた、不器用で下手な絵・・・・ここで、校長先生は2枚の保育園児が描いた絵のお話を始められました。片方は、輪郭もしっかりして、色もはっきりと塗ってある子どもが描いた絵です。他方は、姉妹で鉄棒をしている絵ですが、自分ははっきりと色が塗れているのに、隣のお姉さんは輪郭も色もぼけうっすらとしか描いてない絵です。この2枚、大賞を取ったのはぼけているほうだったそうです。その理由は「どうしてお姉さんは薄いのかな」の答えにあります。
 「お姉さんが嫌いだったから」と答えた生徒さんがいました。そう、この絵には絵を描いたときの感情や思いが表されているのです。思いや気持ちを伝えるのが美術。だから、絵を描く気持ちを持続させなくてはなりません。同じ芸術の歌との大きな違いです。歌は消えていくから毎回心を込めて歌わなければなりませんね。絵に表された感情は残ります。そのときのあなたが残るのです。校長先生が最後に「去年の絵はとってありますか?今年の絵も残しておきましょうね。だって、2年生の感情や思いは来年、絶対に描けないのですからね」この言葉に、美術の重みを感じた生徒ばかりでした。時間の最後には自然と拍手が湧き出ました。