4月4日 始業式 式辞
- 公開日
- 2019/04/04
- 更新日
- 2019/04/04
こころを育てる
今伊勢中学校のみなさん おはようございます。
1年生のみなさん、入学おめでとうございます。そして、2・3年生のみなさん、進級おめでとうございます。
223名の新入生と12名の新しい先生を迎え、平成31年度の今伊勢中学校は、生徒数657名、教職員数50名、合計707名 22学級数でスタートします。
4月1日に新しい元号である「令和」が発表されました。また、今年から道徳が教科化されるなど、教育でも新しい動きが始まってきます。みなさんもそれぞれ進学、進級して期待に胸を膨らませていることと思います。
新年度の初めにあたり、この1年皆さんに大切にしてもらいたいことを2つお話します。
1つめは、先日引退を発表されたシアトルマリナーズのイチロー選手の言葉から先生が感じたことです。イチロー選手は「自分を超える」ということを次のように言っています。
「自分なりに“はかり”を使って限界を見ながら、ちょっと超えていく、ということを繰り返していく。そうすると、いつの日からか、こんな自分になっている、という状態になっていく。だから少しずつの積み重ねでしか自分を超えていけないと思う」と。
勉強でも部活動の練習でも、もう限界だ、これ以上はできない、と思う時があります。そのときにほんの少しだけその限界を超えてみる、例えば1時間の勉強が限界だと思ったら5分だけ長く勉強する、10周のランニングが限界と思ったら、もう半周だけ走ってみる、ほんの5分やたった半周の頑張りかもしれないが、その積み重ねを続けていくと1時間30分勉強できる自分に、15周走れる自分になっている、ということです。
イチロー選手は「一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて続けられない」と考えているそうです。時には、後退することもあるそうです。しかし、「自分が『やる』と決めたことを信じてやっていく。遠回りすることがあるかもしれないが、そうした地道な取り組みでしか、本当の自分に出会えない」と語っています。
新しく中学生になった1年生のみなさんや新年度を迎えた2・3年生のみなさんは、大きな目標を立てる人もいるかもしれません。しかし、大きな目標をめざすためには、目の前の小さな目標を一つずつクリアしていくことが大切です。
新しい目標に向けて、みなさんがこれまでの自分を少し超えることを地道に続け、新しい自分と出会える1年であることを期待します。
2つ目は、今日、新しい仲間との出会いがありました。みなさんには、ぜひ「人をいたわる気持ち」を大切にしてほしいと思います。みなさんの成長には、周りの友達や先生、家族のみなさん、地域の方々など多くの支えがあります。その関わりのある人の気持ちが思いやれる人、感謝する気持ちを忘れない人であってください。「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉を大切にし、顔と顔を合わせてのコミュニケーションをすることで、周りの人への労りを表していってほしいと思います。そうしたことができれば、クラスや学年、部活動などで、いじめや差別など、いやな思いをする人が一人もいない、今伊勢中学校になると信じています。同時に私をはじめ今伊勢中の先生方は「いじめや差別は絶対許さない」という強い気持ちで皆さんの生活を守ります。新しい元号である「令和」には、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められているそうです。今伊勢中学校のみなさんが人をいたわる美しい心を寄せ合い、この1年で新しい文化を育てていくことを願っています。