学校日記

3月6日(水) 卒業式・式辞(抜粋)

公開日
2024/03/06
更新日
2024/03/06

今日の一枚

一宮市立北方中学校、第七十七回卒業生、八十一名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
卒業生の皆さん、卒業という節目に北方中学校での三年間を振り返ってみてください。
みなさんが入学した四月はまだコロナ渦真っただ中で中学校生活がスタートしました。しかし年を追うごとに少しずつコロナウイルス感染症の影響も少なくなり、昨年五月、新型コロナウイルス感染症が五類に移行して、授業や行事は通常へと向かいました。皆さんの屈託のない笑顔で学校生活を送る姿は何物にも代えることができないものでした。
二年生の若狭湾宿泊学習。予定通り五月に実施できました。カッター漕艇ではクラスの仲間と力を合わせて大きな声を出して一生懸命櫂(かい)を漕ぎました。二日目にはボート、シーカヤック、海釣りに分かれて海の選択活動を行いました。ボートの体験では予想外に波があって、海に入ってボートを押さないと沖に出られず、全身びしょびしょに濡れながら友人のボートを押す姿が今でも目に浮かんできます。
三年生の修学旅行。一日目、伊豆の今井浜で漁船に乗ったり、アジの開きをつくったりしました。民宿では食事の配膳のお手伝いや民宿の方とのふれあいタイムでお話を聞いて、漁村ならではの生活を味わうことができました。二日目は国会議事堂を見学しました。その後、楽しみにしていた東京ディズニーランドで友人とともに文字通り夢のような時間を過ごしました。そして、三日目は東京スカイツリーの見学でした。時間もたっぷりあって、地上三百メートルからの眺めを堪能するとともに、買い物もたくさんすることができました。
部活動。雪の舞う冬の寒いときもギラギラと強い日差しが注ぎ続ける夏の暑いときも必死に練習してきた二年半でした。最後の夏の大会でソフトテニス部女子は県大会にまで出場しました。バレーボール部女子も西尾張大会に出場しました。ソフトボール部は夏の大会が最後の活躍の場でした。初戦を勝ち準々決勝も接戦を繰り広げ見るものを熱くしてくれました。
体育祭。今年は学級対抗種目をなくし、群団対抗種目のみで行いました。また、男女でダンスを踊る三年目でもありました。九月から学年一つになって屋内運動場で練習に励んでいました。本番では男女が本当に楽しそうにダンスを踊っていました。その姿は保護者の皆様や後輩たちに「行事はこうして楽しむものだよ」とからだ全体で教えてくれているようでした。
歌声コンクール。今年はやっと制限がなくなり全校が屋内運動場に入って、聞き合うことができました。しばらくやめていた学年合唱も行うことができました。各クラスが懸命に練習してきた成果を発揮し、すばらしい歌声を屋内運動場いっぱいに響かせてくれました。

春を待つこの季節、皆さんに「桜守(さくらもり)」のお話をします。
桜を守る人のことを「桜守」といいます。
京都に、樹齢何百年もの桜、それこそ花開けばこの屋内運動場の半分ぐらいに咲き誇る大きな桜の木がありました。毎年春になるとたくさんの人が花見を楽しむために集まる立派な桜でした。
ところが、ある年に花がまったく咲かなくなりました。このまま枯れてしまうのではないかと誰もが悲しみました。それを聞いた「桜守」の方が駆けつけました。まず根っこの大量の土を入れ替えて、毎日毎日桜の様子を観察しながら、栄養分を入れて懸命な世話をしました。すると、数年後、花をいっぱいにつけた桜の木が見事に蘇りました。そのとき「桜守」の方は「桜は手入れをするのではない、守りをするのです。守りとは花が咲かない季節でもいつも見ていることです」とおっしゃいました。
これまで、皆さんは物事がうまくいかないとき、悩んだり、苦しんだりしたことがあったことと思います。実はそのとき、皆さんはひとりぼっちではなかったのです。皆さんのまわりには、そっと見守ってくださったお父さん、お母さん、家族の皆さんや先生方がおられたのです。応援してくださっていたのです。
今、ここにいる皆さんは春から新しい舞台を心待ちにしていることでしょう。新しい環境で楽しい生活が始まります。でも、何かにつまずいたり、壁にぶつかったりすることがあるかもしれません。桜に例えるなら、花が咲かなくなる時期でしょう。
しかし、皆さんは必ずどんな時でも、蘇ることができます。なぜなら、皆さんを支え、応援してくださる保護者の皆様、先生方、友人がいるからです。まさに「桜守」といえるでしょう。
四季の移ろいに耐え、桜が満月の日を目指して満開になるように、今ここにいる皆さんは未来に向かって精一杯進んでいってほしいと思います。どんな時でも私たちは見守っています。
新しい時代に向かって一歩を踏み出すみなさん。本校で培った「叡智」を生かして、自信を持って一歩を踏み出してください。
最後に、卒業生の皆さんの輝く未来を心から願い、式辞といたします。

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