7月20日(水)今を大切に(終業式より)
- 公開日
- 2022/07/20
- 更新日
- 2022/07/20
校長室より
令和4年度の1学期が終わろうとしています。
日々の生活、校外学習やキャンプ、修学旅行などの行事、そして部活動。
喜びも、辛さも、全部ひっくるめて記憶に残る1学期でした。
喜びは、北中生が一歩一歩、成長しているということ。
辛いことは、この学期末に広がったコロナ感染により当たり前の生活を奪われてしまったこと。特に部活動の大会や発表の場に向けての準備ができなかったり、大会に出場できなかったりと、人の力ではどうにもならない厳しい現実と向き合わなければなりませんでした。しかしそんな苦しい状況でも、下を向くことなく今できることを精一杯にやりきろうとする北中生は立派であり、とても誇らしく思いました。
ここで、東日本大震災で津波の被害にあった千葉県に住む中学生の話を紹介します。その生徒が幼稚園の頃、卒園式の直前に地震が起き、幼稚園は休園となり、予定されていた卒園式も延期を余儀なくされました。そして、その9年後。今度は新型コロナウイルスの流行で、卒業式直前に突然休校となり、残り少ない仲間との日々を奪われました。アルバムの寄せ書きも出来ず、卒業式に校歌も歌えず、母校を後にすることになりました。
「なぜ、自分達はいつもこんな思いばかりしなければいけないのか」
「人生の節目で2度も生活をめちゃくちゃにされてしまったことへの憤りを感じているその生徒は次のように思ったそうです。
「震災やコロナ禍にはどんな意味があるのか」
「当たり前の生活が、いかにもろく、かけがえのないものであるかを思い知らされただけでなく、あの苦しさや辛さが、いい経験だったと言えるようにしていきたい。」
そして、ある考えにたどりつきました。
「当たり前なんてない。普通は常に変化する。大切な人と過ごす日常が、明日にはなくなってしまうかもしれない。だからこそ、今を大切に生きよう。毎朝、仕事に出かけるお父さんやお母さんに、心をこめて『いってらっしゃい』と言うようにしたい。そんな小さなことから、始めたい」
明日から夏休みです。一日一日、目の前の「今」を大切に生活してほしいと思います。
9月にまた皆さんと元気に会いましょう。