「卒業式 『励ましのことば』」 その3(H25.3.19)
- 公開日
- 2013/03/19
- 更新日
- 2013/03/19
6年
卒業式「校長 励ましのことば」では、校長先生から次のような話がありました。
「校長 励ましのことば」から
●卒業に当たり、私は、どんなことがあろうとも、前を向いてしっかりと歩んでほしいという思いを込め、皆さんへの最後の餞として、二つの言葉を贈ります。
一つ目は、「模倣はどこまでいっても模倣である」
二つ目は、「リスクを負わない者に勝利を手にすることはできない」です。
いずれもイビチャ・オシムさんの言葉です。2006年のサッカー日本代表の監督だったオシムさんです。今は、香川選手、長友選手、本多選手など、多くのサッカー選手が海外で活躍するようになりました。このことに象徴されるように、日本のサッカーを変え、世界に通用するようになる礎を作ったのがオシム監督です。残念なことに07年に脳梗塞で倒れ、監督を辞任することになりますが、オシム監督が目指した「サッカーの日本化」「日本流サッカー」は今もなお、脈々と生きています。
一つ目の言葉「模倣はどこまでいっても模倣である」は、日本人の特性・特徴でもある部分です。とても真面目で、忍耐強く、コツコツと努力できるのが日本人の特徴だと外国の人からよく言われます。オシム監督は、日本選手がするサッカーを見て、「選手一人一人の技術も、チームの戦術や戦略も忠実に模倣している、つまり正確にコピーしている。」と、しかし「試合に勝つことは、コピーできない」と言っています。「なぜこの技術を必要とするのか、この戦術や戦略がどの場面で必要とされるのかを考えなければ、単なるコピーに終わり、勝利に結びつかない」と言っています。
そして、「リスクを負わない者に勝利を手にすることはできない」と加えています。「シュートを決めれば勝てるのに、ゴールの前で隣にいる味方選手にパスをしてしまう日本選手を時々見る。シュートを外し、自分のせいで試合に負けるリスクを恐れ、責任を放棄してしまう。日本選手の理解しがたい部分である。」と言っています。
オシム監督は、日本サッカーにかかわって以来、「自分で考えること」「速く考えること」を選手に言い続けてきたと言われています。「試合を想定し技術を身につけ、チームの戦術や戦略を理解し、自分の責任を考えること、それが勝利につながる。」としています。オシム監督は、「考える」ことをKyeWordに、選手に「自分流」を、日本サッカーに「日本流」を磨くことを訴えてきました。
皆さんがこれから歩む中学校生活、そしてその後の歩みの中で、皆さん一人一人が自分自身を見つめ、自分の特性を考え、自分を生かした「自分流」をつくってほしいと思います。自分勝手な「自己流」ではなく、誰もが目標とする「自分流」をつくってください。そして、皆さんが考えた2030年に輝く自分を夢見て「自分流」を磨き、光り輝いてくれることを願います。