学校日記

卒業式(校長 式辞)3/20

公開日
2023/03/20
更新日
2023/03/20

校長室

式辞 

校庭の桜の花が咲き始め、春の訪れを感じる季節となりました。このよき日に卒業を迎えられた五十四名の卒業生の皆さん、誠におめでとうございます。いつもなら大勢の来賓の方や在校生が見守る中で皆さんの門出をお祝いするわけですが、感染予防のためこのような形での卒業式となりました。この場に来られなかった方々も、きっとみなさんの卒業を心の中で祝ってくれていることでしょう。みなさんが3年生の終わりごろからコロナ禍に見舞われ、生活しづらい日々が今も続いています。しかし、それにめげず元気に明るく学校生活を送ってくれたこと、本当に嬉しく思っています。

さて、皆さんのことをふり返ってまず思い出されることが「勤勉なところ」です。授業中、ノートに自分の考えをまとめたり、友だちと考えを伝え合ったりして、一人一人が自ら進んで学んでいました。それが学級としての授業の雰囲気をさらによくしていました。次に思い出されることが「節度ある行動」です。皆さんは修学旅行で友だちと大いに楽しんでいましたが、お寺での座禅体験やホテル内での様子を見ていると、場に応じて節度ある行動ができることに、私は感激しました。4月からの中学校生活でも皆さんの長所であるこの「勤勉」「節度」を大切にして伸びてほしいと願っています。中学校では新たな友だちや教職員の方々との出会いがあるので、期待や不安もあるかと思います。
 
「すべての悩みは人間関係に始まる」これは、心理学者アルフレッド・アドラーの言葉です。確かにその通りで仕事や勉強などが忙しく大変なことは、自分の頑張りである程度は解決できます。しかし、人間関係というのは自分がよくしたいと思って働きかけてもうまくいかないことがあります。これまでに友人との関係で悩んだ子は卒業生の中にきっと何人もいるのではないでしょうか。そんな時、人に対して不満に思うだけでなく、自分を見つめ直すことができた人も数多くいることでしょう。人を変えることはできませんが自分を変えることはいつでもでき、そうすることで人間関係も変わっていきます。人は何歳になってもいつからでも、自分を変えて心を成長させることができるのです。困った時は皆さんの近くにいてくれる大人に相談したり、友達と励まし合ったりしながら、伸びやかに育ってほしいと心より願っております。6年間の小学校生活は今日終わりますが、4月からは笑顔で中学校生活を送り、大きく成長されることに期待しています。

終わりになりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。コロナ禍が3年続き制限がある生活の中、今日こうして卒業を迎えられたお子様の姿を見られ、感慨もひとしおのことと存じます。4月からは、いよいよ中学校生活が始まります。時には心悩まされることもあろうかと思いますが、お子様にとって最後の支えとなるのは保護者の皆様です。これまで以上にお子様の可能性と素直な心を信じられ、ともに歩まれてください。それでは、卒業生の皆さんの前途に幸多からんことをお祈りし、式辞といたします。
 
 令和五年三月二十日