学校日記

3月3日(火)第73回卒業式

公開日
2020/03/03
更新日
2020/03/03

学校行事

 新型コロナウィルス感染症予防により、卒業生・保護者・職員のみによる卒業式でした。例年とは異なる形での卒業式となりましたが、たくさんの笑顔の中、卒業生の皆さんが巣立っていきました。

式 辞(一部略)    
 147名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 昨年の4月に転勤してきた私にとって、皆さんの明るい笑顔がとても印象に残っています。
 毎朝、「おはようございます」とさわやかな挨拶を交わしたAさん。校内を回っている時、目が合った瞬間に、にっこり微笑んでくれたB君。夏、西尾張大会の会場で涙をこらえていたC君。高校の体験入学へ向かう時に「行ってきます」と声をかけてくれたDさん、……。
 体育祭や合唱コンクールなどの行事。力いっぱいの演技、歌声。皆さんが作り出してくれた楽しい時間をうれしく思っています。本当にありがとう。
 私は、これまで中学校の教師として、多くの中学生と関わってきました。その中の一人にどんな時も笑顔を絶やさないE君のことを皆さんに伝えたいと思います。
 彼は、クラスの人気者。誰に対してもやさしく、よく気がつき、手助けも自然にできました。冗談を言ってはクラスの雰囲気を和らげてくれる子でしたから、誰からも愛されていました。でも、勉強は大の苦手。成績はいつも芳しくありません。
 3年生2学期のある日、彼は、「先生、僕は学校の勉強は全く駄目です。どうやっても教科書の中身が頭に入ってきません。親からは進学した方がいいと言われるけれど、僕は社会に出て働きたい。手に職をつけたい。お客さん相手の仕事がしたい。」と、中学生とは思えない大人のような表情で話してくれました。
 その後、保護者の方とも相談を重ねていく中で、彼は飲食店への就職を選択しました。
 卒業後しばらくして、彼が住み込みで働いているお店に挨拶に行きました。店長さんに様子を尋ねると、「本当によくやってくれています。いい子を雇うことができ、助かってます。将来が楽しみです。」
 彼は、中学校生活同様、笑顔を絶やさず、どんなことにも率先して仕事をしつつ、料理のことも勉強していたそうです。
 彼は、現在三十六歳。神奈川県にあるお店を任されて、二人のお子さんの父親として楽しく暮らしています。彼から、こんな話を聞きました。「今、雇っている若い子たちの良いところを生かせるように修行させています。当然、得意・不得意もあって、克服しなければならないこともあるけど、自分の良いところは何かが自覚できると、それがその子の強みになります。私も負けられません。」
 皆さんには、良いところがたくさんあります。その良いところを生かしていくことで、自分の人生をより豊かなものにしていくと思います。皆さんの良いところを、それぞれの進む道で、存分に発揮していってください。
 皆さんの笑顔、温かい心、熱い思いを大切にしていきます。本当にありがとう。
 卒業生の皆さんの未来に、幸多かれと祈っています。(校長室から)

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