令和3年度 卒業証書授与式 No.1
- 公開日
- 2022/03/18
- 更新日
- 2022/03/18
ALWAYS
木々の芽がほころび、春の息吹が感じられる今日、令和3年度、三条小学校卒業証書授与式を行いました。
卒業生115名のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
コロナ禍での卒業式。感染対策をしつつ、新たな形を取り入れた卒業生の入場。十分な練習時間をとれずも、感謝の気持ちをしっかり伝えられた卒業生の歌や呼びかけ。式に花を添える在校生の姿がなくとも、主役の卒業生が輝く、立派な卒業式でした。
校長式辞より
6年生115名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの門出にあたり、「ライバル」についてお話します。
今年度の夏、コロナ禍で一年延期となっていた東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。日本代表の選手たちは多くの種目で輝かしい記録を残し、数々のメダルを獲得して、暗く沈みがちな私たち国民の心を高揚させてくれました。しかしながら、メダリストの活躍以上に私が胸を打たれたのは、スケートボード競技での「あのシーン」です。
岡本碧優選手。十五歳。愛知県出身。女子で初めて「540」の大技を成功させた世界女王。東京オリンピックでは、四位で最後の演技を迎えた彼女。逆転を狙い、果敢に高難度の大技に挑戦するも、フリップインディの着地に失敗します。金メダル最有力候補の彼女でしたが、この一瞬でメダルの夢は途絶えました。
このあとの感動シーンはきっとみなさんの記憶にも残っているでしょう。悔し涙を浮かべる岡本選手のもとへライバル選手たちが次々と近寄ってハグ。そして、二人の選手が彼女を担ぎ上げて、この勇気ある挑戦を称賛しました。岡本選手は泣きながらも笑顔になり、ガッツポーズ。金メダルに勝るとも劣らないものを獲得しました。
最後まで攻めの姿勢を崩さなかった岡本選手。メダルに関係なく選手同士が健闘を称え合う姿。これこそスポーツマンシップだと、私はこれまでに味わったことのない感動を覚えました。
これから皆さんが迎える中学校生活においても、決してすべてがうまくいくとは限りません。勉強や部活動などいろいろな場面で、壁にぶつかるときがあるでしょう。そんな時に良きライバルの存在がきっと力になってくれます。「ライバル」は敵ではありません。同じ目標に向かって競い合い、その努力をリスペクトしあえる仲間と言ってよいでしょう。強力なライバルがいてこそ、自分自身を磨くことができ、それが皆さんの夢の実現につながる道となります。
皆さんが健康で充実した日々を送られるよう、心からお祈りしています。
一宮市立三条小学校 校長 伊藤 裕一