学校日記

3/19 巣立ちの時

公開日
2021/03/19
更新日
2021/03/19

学校行事・児童会

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第60回 卒業証書授与式 校長式辞(抜粋)

(略)
 特に今年は、新型コロナウイルスが猛威をふるい、手洗い、うがいの励行だけでなく、3密を避けるため、多くの学校行事や学校生活に制限が課せられました。その中にあっても、常に優しい心で人間関係をつくり、前を向いて富士小の先頭に立って学校生活を送るみなさんは立派でした。

 この一年、忘れられない思い出は数多くありますが、その中で、六月学校再開の始業式の日のことを忘れません。一年生が、入学式で一日登校して以来、久しぶりに登校した日のことでした。慣れない環境の中、心細く思っていた一年生に、そっと寄り添って、腰をかがめて目線を合わせ、優しく温かい言葉をかけてくれていたのは、6年生のあなたたちでした。胸が温かくなったのを今でも鮮明に覚えています。
 また、7月31日の「部活動の先生に感謝する会」、別名「ありがとう大作戦!」も立派でした。その会の実現に向けて、有志の六年生実行委員の皆さんが、感謝の気持ちを、どう形にするとよいのだろうかと、何回も、いや何十回も毎日のように会議室に集まっては話し合いを重ねました。感謝の会そのものも大変心温まるひと時でしたが、感謝の会に向けての、この心のこもった話し合いがかけがえのない大切な時間でした。
 この「真っ直ぐな感謝の気持ちを形にしよう」は、やがて、修学旅行でお世話になった旅館の方へのお礼のメッセージとなり、そしてやがて、有志によるボランティア活動につながります。清掃のない日の朝、廊下や階段清掃を進んで行ってくれました。それはやがて3学期、側溝の泥上げボランティアにつながります。誰が見ようが見まいが、感謝の気持ちを持って、人の役に立とうと、よいと思うことを進んでできる六年生は、たいへん立派でした。

(略)

 そんな心根の優しいみなさんも、いよいよ中学生になります。そこで、新たな道に進む皆さんに、はなむけの言葉を贈ります。それは、「夢を追いかけて!」です。12月7日に、生き方講演会で、日本のミュージカルのトップ女優である鈴木ほのかさんの講演を聞きました。歌を歌うことが大好きな少女が、地元の高校を卒業後、単身上京し、夢を追いかけて目標を達成していくというサクセスストーリーでした。しかしその陰には、挫折をしたり、悩んだり、失敗したりした経験もたくさんありました。それでもあきらめずに続けることができたのは、やっぱり歌うことが好きだったから。みなさんも、ぜひ、好きなことを見つけ、続けてみてください。そして、夢を追いかけてください。その先には、明るい未来がきっと広がっていくことでしょう。
 これから皆さんが大きく成長する上で、数々の試練もあるかもしれませんが、それと同じくらい、好きなことを見つけ、前を見て、夢に向かって生きてほしいと思います。ちょうど運動会であなたたちが見せた、あのすばらしい演技、「強く生きる」のようにーー。
 
 今、日本は、いや世界は、まだまだ先の見えない漠然とした不安の中にいます。しかし、人とウイルスの関係を紐解くと、それは共生と闘いの歴史であり、克服の歴史です。そうした、困難で漠然とした不安の今だからこそ、困っている時に、仲間同士が理解し合い、助け合い、知恵を出し合ってほしいのです。不安を克服し、新しい希望を作っていくのは、まぎれもなく、私たち人間の叡智であり、人間の行動なのです。あなたたちの知恵、あなたたちのあるべき行動が、今後の日本を、そして世界を動かしていくのです。


 さあ、卒業生の皆さん、いよいよ お別れの時が近づいてきてしまいました。名残は尽きることはありませんが、大切な、大切なあなたたちの幸せを願う、全ての人達の心を束にして、この言葉を贈ります。
「命を大切に 命を輝かせて」力強く生きていってほしい。
 皆さんの輝かしい未来に、幸多からんことを 心からお祈り申し上げ、式辞と致します。

           令和3年3月19日
            一宮市立富士小学校長 渡邊博司