学校日記

H31.3.21 卒業式アルバム 3

公開日
2019/03/21
更新日
2019/03/21

学校日記

「校長式辞」

 穏やかな日差しの中に、春の訪れを感じるようになりました。驚くほどの夏の暑さと厳しい冬の寒さに耐えた校庭の桜は、しっかりと自分の中にエネルギーを蓄え、花咲かせる時を今か今かと待ち望んでいます。
 このよき日に、第72回卒業式を挙行しましたところ、多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、壇上からではございますが、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
 また、ご列席の保護者の皆様、立派に成長した我が子を前に、ひとしおの感慨を覚えていらっしゃることと思います。心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
 さて、本日、小学校6年間の課程を修了し、この丹陽南小学校を巣立っていく77名の卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。みなさんは立派に六年間の小学校生活をやり遂げ、たくさんの思い出を残して、今、中学校へ旅立とうとしています。
 みなさんは、75名、3クラスで小学校生活をスタートさせました。しかし、3年生の時には2クラスになり、クラスの人数も40人近いものになってしまいました。そのような中での人間関係、友達関係はとても難しいものがあったと思います。しかし、逆に楽しいこともたくさんあったことでしょう。その経験はこれからの皆さんの人生の中での財産となるはずだと思っています。
 私は、みなさんの姿を4年間見てきました。寝食を共にした野外教育活動や修学旅行、友達と力を合わせて技を完成させた運動会での組立体操、低学年とのペア集会やペア読書など、一生懸命な姿、優しさあふれる姿、そして、成長していく様子を見てきました。
 また、食育の活動では、丹陽南小学校の伝統を引き継いでくれました。味噌造り、鎌を使った稲刈り、杵と臼での餅つきなど、他では行えないような活動の一つひとつは生涯にわたって、貴重な体験としてみなさんの中に残っていくものと思います。しかし、みなさんの6年間の成長の裏には、お家の方、元気もりもり隊の方をはじめ、多くの方の支えがあったことを忘れてはなりません。
 ところで、卒業は終着点ですが、次につなぐ新たな出発点でもあります。そんなみなさんに私から、はなむけの言葉を贈りたいと思います。
 まず一つは、マザーテレサの「言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。」というものです。言葉には物事を伝えるという使命があります。相手に対して、優しい思いやりのある言葉は、人を温かい幸せな気分にさせます。そして、何気ない一言が、相手を不愉快な気分にさせたり悲しませたりすることもあります。しかし、言葉は、相手に向かうものだけではありません。自分自身に向かう「内なる言葉」もあります。言葉を発するとき、誰よりも自分自身が一番近くでそれを耳にします。自分自身が「「私はこう考えているんだ」「私はこれをやりたいんだ」と強く認識することになります。無意識のうちに刷り込まれていくということです。だから、マザーテレサは、行動になると表現したのだと思います。さらに、彼女は、最後には、「運命になる」とまで言っているのです。人は、自分の口から発せられた言葉通りの人生を歩むと言われます。だから、トップアスリートはインタビューを受けるとき、どんなときでも前向きな言葉で決意を語ります。それは、自分自身に言い聞かせているからではないかと思います。
 しかし、決意は自然に達成されるものではありません。そのことを、イチロー選手は「小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道」と言っています。小さな目標を持ち、それを一つ一つクリアしていくことが、大きな目標の達成につながるのです。
 みなさんの今はどうですか。「だったらいいな」と考えているだけで、せっかくの歩みを止めていませんか。また、先の目標ばかりを掲げているだけで一歩を踏み出さずにいることはありませんか。ここで大切なのは「まずやってみること」です。一番近いところの目標をはっきりさせ、今を一生懸命生きることです。そうすれば、心配や不安な気持ちにはなりません。みなさんの今は、知識を得るために学び、知恵を働かせるために小さなことを積み重ねているところです。そして今は永遠に続きます。この今の積み重ねが自分の将来への蓄えとなり、未来への燃料となります。
 これからの中学校生活、あれこれ悩むより、まず目標に向かって一歩を踏み出し、今を精一杯生きることを続けていってください。
 みなさんはこの六年間で多くの知識を身につけました。しかし、これからが学びの本番です。未来はあなたたちの学びにかかっています。平和な日本で学べる喜びを大いに感じてがんばってください。
 努力は自分を裏切りません。「とっておきの一人」である自分の力を信じてください。最後に、夢がより具体的な目標となり実現できるように、みなさんの健闘を祈っています。
 名残は尽きませんが、卒業生の皆さんの輝ける未来に幸多かれと祈っています。
 結びになりますが、本日、ご多用の中、ご臨席を賜りました、ご来賓の皆様、これからも卒業生を支え、導く人生の師となり、温かく見守り、励ましていただきたいと存じます。今日ここにご臨席の全ての皆様とともに、卒業生の門出を祝い、式辞といたします。