3月20日(月)卒業生へ「自分を信じて」
- 公開日
- 2023/03/20
- 更新日
- 2023/03/20
校長室より
快晴の中、あたたかな卒業式が行われました。卒業生は立派に卒業式を作り上げ、多くの方の感動と涙を誘いました。式辞のおおまかな概要を紹介します。
伝統ある赤見小学校第76回卒業生として、本校を巣立つ42名のみなさん、卒業、おめでとうございます。今、お渡しした卒業証書には、六年間のみなさん自身の頑張りと、保護者の方々の深い愛情、そして地域の方々の温かい思いのすべてが込められています。この赤見小学校で育った年月があったからこそ、今のあなた方があります。多くの人の支えによって自分たちが生きていること、成長してこれたことに対し、いつまでも感謝の気持ちを忘れない人であってほしいと思います。
さて、昨年西成中学校を卒業し、16歳ながら車いすテニスプレイヤーとして世界ランキングで上位を争う活躍をしている小田凱人(ときと)選手をみなさんは知っていますか。一月のオーストラリアでの国際大会では準優勝し、今後の活躍が期待されている選手です。本日、門出の日を迎えたみなさんに、この小田選手のあこがれの存在で、目標としてきた人についてお話ししたいと思います。それは、今年の1月に惜しまれながら引退を発表した、車いすテニスの世界王者、国枝慎吾さんです。国枝さんはすべての4大大会とパラリンピックで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成するなど、数々の偉業を成し遂げてきた選手です。私がこの国枝さんを通してみなさんに伝えたいことは、「自分を信じる」ことの大切さです。
国枝さんが初めて世界ランキング一位になったのは22歳の時。それから実に20年近く、車いすテニス界の頂点に立ち続けてきました。そのモチベーションの支えになったのが、「オレは最強だ!」という、『魔法のことば』だそうです。このことばを送ったのは、国枝さんが全幅の信頼を寄せるメンタルトレーナーの方です。二人の出会いは国枝さんが世界ランキング一位になる十か月前。なかなか試合に勝てず、自信を失いかけていた国枝さんはトレーナーに「僕は世界一になれると思いますか」と尋ねたそうです。そのとき、トレーナーの目にも、国枝さんが自分自身を信じていないような感じに映ったそうです。そこで、そのトレーナーは、国枝さんを選手用の食堂に案内し、皆の前で「オレは最強だ!」と叫ぶよう促し、さらに、「鏡の前で毎日『オレは最強だ!』と言い続けなさい」とアドバイスしたそうです。国枝さんは、このことばとともに日々のトレーニングを積み重ね、10ケ月後、世界ランキング1位になりました。
『魔法のことば』と出会ってから15年後の、一昨年の東京パラリンピック。国枝さんは、その時も鏡の前で何回も何回も「オレは最強だ!」言い聞かせ、自分を奮い立たせたそうです。この魔法の言葉によって、国枝慎吾という最強のプレーヤーを自ら作り上げ、最強であり続けることができたのです。
みなさんに、この魔法の言葉「オレは最強だ!」を毎日言いなさいと言うわけではありません。大切なのは、どのように自分自身を信じ、力強く前向きに生きていくかです。何か自分にとって困難な事にチャレンジしようとするとき、できるかどうかは問題ではなく、一歩を踏み出す勇気が必要です。そんなとき、「オレは最強だ」「自分ならできる」など、自分を信じる自分なりの『魔法の言葉』をもつことは、弱い自分を少しでも奮い立たせてくれるのではないでしょうか。自分を信じることは、自分にしかできません。どれだけ「あなたならできる」と言われても、その言葉を信じるのは「自分自身」でしかないのですから。
これから、赤見小学校を卒業し、新たな旅立ちを迎えるみなさんに、「自分を信じて」とエールを送ります。自分を信じ、自分に自信をもって、強くたくましく羽ばたいていってほしいと思います。
令和5年3月20日
一宮市立赤見小学校長 高島 哲宏