子どもたちのものも、先生のものも、何も残っていない教室。春休みだけに見られる光景です。
　賑やかな仲間たちが小学校を巣立っていったことを、この教室は知っているのでしょうか。
　先ほど、担任の先生が一人やってきて、ほうきで床を掃いたり、ぞうきんで棚を拭いたりしました。その様子は、まるで教室の労をねぎらい、頭を撫でるかのようでした。あるいは子どもたちと共有したさまざまな思い出を、１つ１つ整理しているようでもありました。
　来週には新しい仲間がやってきて、どの教室もまた賑やかに、華やかになるでしょう。それまでの間、しばしおやすみ。