学校日記

12月7日(水) 武力でなくて対話で(6年生平和作文より)

公開日
2022/12/07
更新日
2022/12/07

6年

夏休みの応募作品で、本校の6年生が入選になった平和作文を紹介します。

◇題◇武力ではなく対話で◇
みなさんは太平洋戦争が終わった日を知っているだろうか。答えは8月15日だ。この日になると、毎年テレビでは、「平和な世界を作るには、戦争をなくすことが不可欠だ」と訴えるようになる。ぼくはその通りだと思う。そこで、戦争とはいったいどういうものなのか、ということを考えてみることにした。

ます、「戦争」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは太平洋戦争だろう。この戦争では、多くの男性が赤紙によって兵士にさせられ、「お国のために」と戦い亡くなってしまった。また、多くの子どもや女性も野戦病院で働かされたり疎開をさせられたりした。

このようなことは二度とあってはならないという世界の願いで、終戦した1945年の10月に国際連合(国連)が発足した。この国連のおかげで、世界的な戦争は約75年前から起こっていない。

しかし、小規模なものはどうだろう。今もロシアのウクライナ侵攻(ウクライナ戦争)やシリア内戦、イラク内戦など、多くの戦争が起きている。そして、それらの戦争にはある共通点がある。それは、「言葉で解決すればよいものを、武力によって解決しようとしている」という点である。

例えばウクライナ戦争だ。これはロシアが、ロシアのライバルであるアメリカの仲間になりたいと言ったウクライナに対して、腹を立てたことにより起こったものである。ロシアがウクライナと話し合えばよかったものを、一方的にウクライナに攻め入り、何も関係のない民間人を殺害したところが問題だ。この行為は、戦争という名の犯罪、つまり無差別殺人としか言いようがない。ロシアは今回の戦争を行った理由を、「自国の財産が脅かされたため」と述べている。しかし、無差別な人殺しを正当化することができる理由などないはずだ。それに、「自国の財産を守るため」に戦争をしているのに、それによって「人」という財産が失われてしまっては本末転倒ではないか、とぼくは考える。

最近は戦争に対しての関心がない人が多いように感じる。確かに、日本国憲法には戦争は二度としないと書いてあるので、自分たちとは無縁だと考えてしまう気持ちも分からなくもない。また、太平洋戦争で被害を受けた人や、被爆した人もだいぶ少なくなっており、語り部が不足しているので、戦争について関心を深めることができる場が減っているのも事実だ。しかし、日本は太平洋戦争で散々つらい思いをしたではないか。戦争の悲惨な記憶が人々の間から消えつつある今こそ、もう一度「戦争とは、悪いことをしていないのに無差別に殺されてしまうこと」ということを思い出し、「武力でなく対話で解決」を実践していくことが、平和な世界を作り上げることへの第一歩だとぼくは思う。