卒業式 式辞 【3月20日(火)の浅井中小】
- 公開日
- 2018/03/20
- 更新日
- 2018/03/20
校長室より
例年になく冷たく厳しい風を運んだ伊吹おろしも、いつしかうららかな風に変わり、校庭や地域の至る所で春の息吹を感じられる頃となりました。この佳き日に、本校を卒業する75名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
ご来賓の皆様には、ご多用の中を本校第39回卒業式にご臨席いただき、式典に一段と光彩を添えていただきました。高い所からではありますが、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。
保護者の皆様、本日はお子様のご卒業おめでとうございます。凛とした姿勢で壇上に立ち、卒業証書を受け取られたお子様の姿を見た時のお慶びはひとしおのことと存じます。心よりお祝い申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、皆さんと初めて出会ったのは、皆さんが3年生のときでした。出会った当時から、いつも周りの人に優しく、明るい笑顔で接することができる素敵な人が多い学年でした。過ぎ去った小学校での6年間を振り返ってみた時、皆さんの心の中には、様々な思い出がよみがえってきていることと思います。
自然の雄大さの中で、スタンツで盛り上がった5年生の野外教育活動。仲間と心を一つにして組立を完成させ、応援合戦で互いに励まし合った運動会。台風の影響で予定を変更せざるをえなくなった中で、ルール・マナーを守って節度ある行動で立派にやり遂げた修学旅行。自分の演技に悩みながらも友だちと協力して作り上げ、見ている人に感動を与えた学芸会のエルコスの祈り。苦しい練習に汗を流し、大会では持てる力を十分に発揮した選手権大会。こうしたいくつもの体験を積み重ね、心も体もとても大きく成長してきた6年間でした。
卒業にあたり、卒業生の皆さんに「ふるさと」の話を贈ります。今年、私は地域の方と一緒に浅井町の歴史を調べる活動に参加させていただきました。その中で、伝統や文化財が多く残る浅井町を誇りに思い、その伝統を守り伝えていこうとする地域の方々が多く見えることを知りました。卒業生の皆さんにとって、この浅井町が「ふるさと」であり、6年間仲間とともに過ごしたこの浅井中小学校も「ふるさと」と言えるでしょう。しかし、「ふるさと」とは、街並みや建物のように、目に見えるものばかりではありません。
皆さんが6年間励まし合い、助け合いながらともに過ごしきた多くの仲間。皆さんを陰になり日向になって支えてくれた家族や地域の方、先生方など多くの方々も「ふるさと」であるといえるでしょう。「ふるさと」は、心の中にもあるのです。皆さんが仲間とともに過ごした日々は、皆さんの心の中の「ふるさと」として生き続けていきます。心の中にある「ふるさと」は、思い出すたびに皆さんを励まし、「元気で生きろよ」と力を与えてくれるものです。
また、心の中の「ふるさと」は、そこに戻るたび元の自分に出会える場所です。自分を取り戻すことができる場所です。これから、みなさんは幾多の試練や挫折を経験することもあるでしょう。「もう、だめだ」とあきらめそうになるときもあるでしょう。
そんな時は、「ふるさと」を思い出し、元気や勇気を取り戻してください。心の中の「ふるさと」は、いつも頑張っている皆さんとつながり、温かく見守っていてくれます。
皆さんが、小学校へ入学するちょうど一年前に東日本大震災が起こり、数多くの復興支援の歌が作られました。その中で、先生が好きな歌詞を紹介します。
雨降る日があるから虹が出る
苦しみぬくから強くなる
進む道も夢の地図も
すべては心の中にある
助け合える友との思い出を
いつまでも大切にしたい
進む道も夢の地図も
それはふるさと
みなさんが心の中の「ふるさと」を大切にして、新しい道で大きく羽ばたかれることを心から願っています。