宮沢賢治「やまなし」 6の2 国語 (H24.9.19)
- 公開日
- 2012/09/19
- 更新日
- 2012/09/19
6年
「やまなし」 宮沢賢治作
小さな谷川の底を写した、二枚の青い幻灯です。
一 五月
二ひきのかにの子どもらが、青白い水の底で話していました。
「クラムボンは 笑ったよ。」
「クラムボンは かぷかぷ笑ったよ。」
「クラムボンは はねて笑ったよ。」
「クラムボンは かぷかぷ笑ったよ。」
上の方や横の方は、青く暗く鋼(はがね)のように見えます。そのなめらかな天井を、つぶつぶ暗いあわが流れていきます。
「クラムボンは 笑ったよ。」
「クラムボンは かぷかぷ笑ったよ。」
「それなら、なぜクラムボンは 笑ったの。」
「知らない。」
つぶつぶあわが流れていきます。かにの子どもらも、ぽつぽつぽつと、続けて五、六つぶあわをはきました。それは、ゆれながら水銀のように光って、ななめに上のほうへ上っていきました。
「やまなし」の書き出しのところです。今日の授業では、「やまなし」を読んだ最初の感想を交流させ合い、その感想の中から表現のおもしろいところを出し合い、読み深めました。