9・29(金) 予測困難な未来を生きる【校長室より】
- 公開日
- 2023/09/29
- 更新日
- 2023/09/29
校長室
7/18付毎日新聞朝刊『余録』を以下に紹介します。
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漫画「ドラえもん」には、のび太君が宿題をためこみ、助けも求める話がたびたび出てくる。未来の時間から何人ものドラえもんを連れてきて集団で宿題に取り組む「ドラえもんだらけ」の回や、勉強を怠った時間を「むだ時間とりもどしポンプ」で回復する回などがコミック本にある。
奇想天外な手段で助けられるのび太君には、子どもたちの思いが投影されている。では、この新技術は子どもたちの目にどう映っているか。チャットGPTなど、生成AIの台頭である。生成AIは利用者との対話を通じて文章、画像などの作品を編み出す。
文部科学省は今月、学校での活用に関する指針を公表した。夏休みの課題については、生成AIによる作品をそのまま提出することは「評価基準によっては不正」になると指導するよう求めた。
教育への生成AIの活用を巡っては、創造力や判断力育成への影響も懸念する声がある。指針は、特に小学校段階での活用に慎重な対応を促した。ドラえもんの頼みのような課題の丸投げがダメなのは当然だろう。
一方で指針は、リポートなどを作る際の補充に活用し、参考資料として添付させるようなことは一案だとも認めた。生成AIが社会に与える影響や利便性も無視できないだけに、手探りの状況が浮かぶ。
のび太君を助けつつ、頼り切ることへの苦言も忘れないのがドラえもんの友情だ。自分で考え判断する力と、技術を活用する力をどう両立させるか。教育現場に課せられた、難しい宿題である。
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子どもたちが大人になり、生きていく社会はどうなっているのでしょうか。今日のような生成AIの台頭は、20年ぐらい前には、想像もしていないものであったと思います。これからを生きる人には、思考力、判断力、創造力が必要だと言われています。学校教育においても、育成すべき力を意識し、その力を育てていけるよう進めていかなければと強く思っています。